一日一生(4月号)
「ニュースに一言」




 
 4月に入り、6日から初夏を思わせるような、暖かさ!3月27日には、私の地元、栃木県那須町にある茶臼岳で、高等学校の山岳部が、大雪のために、登山をやめて、ラッセルという訓練に切り替えましたが、突然のなだれによって、大田原高校の生徒7人と教師1人の命が奪われました。
 どうして中止にできなかったのか、という声も多数聞かれます。結果的にはそのようになってしまいますが、その場にいると、これも生徒たちには貴重な体験ではないかとの判断があったのかと推測されます。しかし、その判断は誤りであったといわざるをえません。学校に関わった一人として、私自身、複雑な心境、さらに、尊い若者の命を亡くした家族のことを思うと、慰めの言葉もありません。これから、大学、将来への仕事と、未来への夢は果てしなく、彼らの心にはありました。それらが一瞬にして、消えてしまったのです。指導に当たった教師の心も、一生涯、後悔と心の傷となって苦しまなければならないと思います。
 ところで、1年の3分の1が過ぎようとしています。今回は、ニュースについての私の考えを書きます。
1 森友学園の問題について
 3月から4月にかけて、ワイドショーを含めて、森友学園問題は、久しぶりに、国民の多くの話題になりました。世論調査によると、安倍総理の説明不足という人は70%超えています。このニュースのために、私は文芸春秋3月号、4月号で、安倍昭恵さんのことを詳細に知ることができました。また、4月5日の週刊現代、国会中継を参考にしました。
 森友学園については、二つの疑問があります。一つは、森友学園では、小学校を4月に開校するために、大阪豊中市の土地を10億円もするところを、1億3400万円で取得したこと。そして、50年返済ということで、2百万円しかまだ納めていないのに、土地を取得しました。この大サービスとなった8.2億円はどうなったのかということにあります。国会では、このことについて、ゴミ処理は、所有者である国が当然やるから、法的にはなんの問題もないと、理財局、関西航空局長は何度も答弁しました。
 その根拠はと問われれば、3メートルまで穴を掘り、さらに9メートルまで穴を掘っての算定だと言いました。しかし、後になって事実になったのは、ゴミを処分したのは、720万円だけだというのです。筑波大学研究所で、地質を調べると、深さ9メートルのところには、処分すべきゴミなどは全くないことが判明しました。そもそも、その土地は沼でした。
 二つ目は、安倍昭恵さんが、籠池さんに百万円を渡したことです。安倍総理は、国会で、このことについて、「証拠もないのに、ただ言われてもなんの根拠もありません。私は、籠池さんとはあったこともないし、まったくの間違いだ。そんなことになれば、総理はもちろん国会議員も辞めます。」と、語気鋭く答弁しました。
 その後、参議院の山本一太予算委員長をはじめ、民進党、他党数人が現地調査ということで、森友学園に出向き、籠池さんに面会しました。そこで、籠池さんは、安倍昭恵さんが、塚本幼稚園に講演で来た時に、二人だけになって、百万円を安倍総理から受け取ったと話しました。すでに国会でも、幾度となくでていた話です。自民党の山本委員長が、安倍総理に電話をしたところ、逆鱗にふれて、証人喚問だ!と叫んだそうです。そんなことをすると、大変なことになるからやめた方が良いと、菅官房長官が止めたのですが、どうにもとまらなかったというのです。
 そして、3月23日に、籠池さんを、衆議院と参議院の予算委員会で承認関門しました。森友学園に来た時に、秘書官には退席してもらい、昭恵さんから小学校開校のために、帯封で百万円をいただきましたと、籠池さんは明確に答えました。質問に立った民進党の枝野さん(弁護士)は、さらに確認のために「籠池さん、良いですか?嘘となると、偽証罪に問われますよ。もう一度聞きますよ。百万円を、本当に安倍総理婦人から受け取ったのですか?」と問い直すと、籠池さんは、事実は小説より奇なりです。」と自信をもって答えたのです。
 10億円のディスカウントについては、自分は、大阪市議会議員、親しくしている国会議員に便宜を図ってもらえるように働きかけました。そして、籠池さんの弁護士を通して動いていただきました。どうしてそのように、8.2億円も安くなったのですか?との問には、「それは、私にも良く分かりませんが、神風が吹いたのではないかと思うのです」と、はっきりと答えました。
 3月24日には、関係官庁の局長への参考人質問がありました。しかし、局長たちは、「法的には何も問題は無い。ゴミ処理の費用が8.2億円必要との判断のもとであります。」との答弁を繰り返すばかりでした。その記録は、すでに破棄しました。データにも残っておりませんとの、東京都の豊洲移転の時と同じ回答でした。
 安倍総理は、その後の国会でも、「百万円の問題ではなくて、そもそもは、土地の価格の問題ですから、妻が百万円を渡していないというのですから、1市民のことであり、証人喚問の必要はないし、根本からそれている議論をこれ以上する必要はない。」と、幾度も答えています。
 確かに、原点は、10億円もする土地を、10%で買うことなどが大変な問題であります。しかし、それ以上に、総理自ら完全否定してしまい、そんなことがあるならば、総理はもちろん国会議員も辞めると、3月24日の予算委員会で答弁した言葉の意味が大きいといわざるをえません。
 籠池さんは、証人喚問、さらにその後も、安倍昭恵さんの秘書が送ったFAXと、自らが、土地購入と国からの補助金を依頼する手紙を提出したのでした。これらの動かぬ証拠に対して、政府は、経産省からの秘書は、個人的にfaxを送ったものであり、安倍総理、安倍昭恵さんが指示したものではないと、こちらも完全否定をしました。これら一連のやりとりを聞いて、私は、相撲で言う勇み足を何度もしていると思いました。
 安倍総理夫妻は、籠池さんたちが所属している、国民会議に深く関与しており、憲法を改正して、自民党の憲法改正案を指示しています。それは、かつての大日本帝国憲法に近づけようというものです。ですから、私たちは籠池さんの思想を指示して小学校のために百万円を寄付しました。と正直に言った方が良かったと思うのです。籠池さんとは全く関係ないというので、籠池さんは、総理自ら手のひらを返し、否定し、甚だ迷惑千万というので、それならば、ありのままを話そうと思ったのではないかと思いました。
 結局、松井大阪知事からも見捨てられ、小学校は不認可となりました。そして、19億円をかけて立てた小学校のうち、4億円しか藤原工業にはしはらえず、賠償請求がなされています。
 その学校も、せっかく建てたのですが、更地にして、国へ返さなければなりません。塚本幼稚園、森友保育園も、子どもが激減してしまいました。幼稚園の子どもたちに、教育勅語を暗唱させ、運動会では、安倍総理、安保法案が通って素晴らしい!と、幼い子どもたちに言わせている教育は、政治的教育であり、教育基本法から逸脱していることは明らかです。
 しかし、本音では、自民党、内閣の多くの人たちが、籠池さんと安倍総理の思想信条を支援しているに違いないと思います。また、反対でも、選挙の後任から外されるのが怖いために、沈黙を保っているのだと思います。
 民主主義はどこへいくのでしょうか?ここで、安倍昭恵さんのことを補足します。文芸春秋3月号では、丁度安倍昭恵さんの1時間のインタビューがありました。森友問題が記事になる前のことです。昭恵さんは、神道に深く興味を持ち、最近はあちこちの神社を訪れているとのことです。そして、自分は、スピリチュアルに興味があります。神様の声を聞いている。東日本大震災の堤防では、あんなに高くしては海が見えなくなるからだめです!大麻を日本でも自由化して栽培すると良いと言っていました。
 ところが、産経新聞では安倍昭恵さんは、敬虔なクリスチャンですとありました。聖心女子短大を卒業していますが、やはり神社神道の方が正しい理解と思います。
2 衆議院解散について
 マスコミでは、4月解散、5月選挙などと一部からでています。私は、それはないと思っています。安倍総理は、本音では、昨年の12月ごろ解散総選挙をしたかったのだと思います。その理由ですが、昨年5月に、伊勢でサミットをしました。オバマ大統領が来日し、広島を訪れました。11月には、ロシアのプーチン大統領が来日しました。12月には、ハワイの真珠湾を訪問しました。それらの中で、北方領土が、二つでも返還されたら、選挙をやりたいと思って、10回以上も、経産省大臣がロシアへ行きました。総理も何度もプーチン大統領とあったのです。マスコミは、北方領土返還が間違いなく行われるかのように報道しました。しかし結果は、自民党幹事長の一言、結局失望でした!となったのです。これでは、衆議院を解散しても安倍内閣にはプラスにはなりません。さらに加えて、スーダンの自衛隊問題がこじれてしまいました。日報が、残っていたのに、処分してしまったとの答弁。今年になって、ないはずのスーダンからのレポートが見つかりました!との話、混乱を極めています。
 天皇の退位についても、今年中になんとかしなければなりませんし、総理は消極的です。今流行の「忖度」(そんたく)ならば、天皇の忖度を思えば、皇室典範を全面的に改正して、一定の年齢に達したら、天皇の退位を認めてやるべきと私は思いますが(国民の多くがそのように考えていると聞いております)。
 しかし、総理のお友達、有識者は、天皇は一代だけの退位で良い、天皇の友人は、勝手にしゃべるな!天皇陛下は、動けなければ、祈るだけでも良いのですなどという、失礼なことをいう有識者の発言には驚くばかりです。この時ばかりは、忖度は、問題にしないのですね。
 ですから、私は衆議院の解散は、そう簡単にはいかないと思うのです。何よりも、公明党は、都議選に向けて、走り出していますから、衆議院の解散には反対でしょう。早くても、今年の12月、来年の4月、追い込まれ解散ならば、来年の12月になるかと思います。
 週刊現代では、今年の1月解散、2月選挙とありましたが、おお外れになりました。森友学園問題、さらに、岡山県の獣医大学、愛媛県の土地売却も、安倍総理が関わっているといわれています。
 文芸春秋の4月号では、総理の母親の安倍洋子さんが、二人に激怒しています。安倍総理の国会議員をやめるとの発言には、「どうしてそんな不用意なことを簡単にいうのだ!」激怒、昭恵さんには、妻は妻らしく言動を慎むようにと言っているとありました。
 TBSラジオの時事川柳を紹介して閉じることにします
 「疑いは、来る人よりこない人」
 「8億円、それより大きい百万円」
 「内閣は 明治に近くなりにけり」
 次回は、若葉薫5月です。



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