一日一生(7月号)
ニュースに一言「都議会選挙ともろもろ」




 皆様、暑い毎日が続いていますがお元気ですか?我が家は、15日の引越しの準備で右往左往しております。このことについては、来月、書きたいと思いますが、まさに青天の霹靂です。15日に市内のマンションへ移ります。
 さて、今回は7月2日に行われた都議会議員選挙と政治の問題に的を絞ります。
 結果を書きますと、都民ファースト55人、自民党と公明党23人、共産党19人、民進党5人、維新1人、社民党1人、その他でした。当初の予想では都民ファーストが、40位か、自民党は、現有の57程度かといわれていました。しかし、度重なる失言、スキャンダルのために、都民が、もういいようとの回答だったかとおもいます。
 2014年の衆議院選挙で自民党は、300人を超える圧勝でした。選挙の視点が、2017年に消費税を上げることに賛成かどうかということでした。本来ならば、憲法改正について、賛否を問うべきものだと思いましたが、景気の良くなったといわれる、アベノミクスの勢いに乗ってのすり替えでした。
 3分の2を獲得した与党は、憲法改正を念頭におきつつ、国民の世論を無視して、集団的自衛権の法律を強行採決しました。そして、昨年の11月には自衛隊をスーダンへ派遣しました。どうも危険、危ないとわかると、「今のところは、問題が起きる前に撤退」とばかりに、5月に自衛隊が帰国しました。
 さらに加えて、6月17日には、共謀罪法というべきものを、強行採決しました。
 合わせて、森友学園のゴミ処理問題、値引きされた8.2億円の問題、続いて文科省の加計学園の獣医大学認可にともなう疑惑。安倍総理のお友達との関係、37億円の土地を無償で提供するというような出来事も国会で討論されましたが、議論にはならず、総理は、後ろから飛んで来る野次には直ぐに反応をしましたが、前から来る質問には、「そもそもは、民進党の時に…」との話しで、質問から大幅に外れての答弁の連続でした。これが議論といえるのか?知っていても、意図的にそらしているのだと、私は思いました。高校生がしているディベート(討論会)をもう一度勉強して欲しいですね。
 そのような結果が今回、上のように自民党惨敗となったのです。国民に耳を傾けない、傾聴しないとこのようになるとの強いメッセージです。
 どんなに遅くても来年の12月には、衆議院を解散して選挙をしなければなりません。今回、公明党が自民党から離れて、小池百合子さんの指揮する都民ファーストにチェンジしたのは、先を見通して様子をみたのだと思います。この調子で衆議院選挙をして、公明党が自民党の支持をやめて、おそらく、衆議院選挙に新たにできる、小池新党に合流したら、土井たか子さんがかつて言っていた、「山が動く」ことになるのではないかと思います。公明党は300万秒を持っています。小選挙区制だけで、自民党は50人は落選します。これまでは、忖度・総理の意向などで、テレビを主とするメディアは、政府批判を控えていました。
 私の予想ですが、小池さんは、直ちに、国政を変えるために、都民ファーストを組み込んでの新党を立ち上げると思います。根拠は、93年に、細川さんが立ち上げた、日本新党に、小池さんが加わり、あれよあれよという間に、細川総理が誕生しました。小池さんは、その中にいました。「今がその時」いざ立ち上がれといわんばかりに流れに乗ることでしょう。小池さんは、都知事ではなくて、究極の目標が総理大臣だと聞いております。日本第1号の女性総理が誕生するかも知れません。国民も新しい風、ムードが好きですからね。現に今回の選挙でも、自民党支持者の多くが都民ファーストを支持し、無党派層の多くが都民ファーストと共産党を支持したと新聞に書いてあります。
 雪崩現象とは恐ろしいものと思います。平家物語に、「おごれる者久しからず」です。このところ、平清盛と重ね合わせてニュースを聞いていました。
 結局、私たちに与えられているのは、選挙権だけなのです。後は、選ばれてしまえば、世論も何も蹴っ飛ばされてしまうのです。何を言っても総理が守ってくれるとの油断があったのではないでしょうか?
 民進党は、原発即ストップを前面に出せば良いのですが、労働組合に気を使って、曖昧な態度でした。党の中もまとまることができません。衆議院選挙でも、現在の70人を守れるかどうか?幹事長の野田さんには、引退してもらった方が良いのではないかと、私は思っております。
 さらに加えると、加計学園について、予想もできないことが起きました。元事務次官の、前川さんです。勇気をもって記者会見をして、内閣府からの強い圧力があった。内閣府は、そのような記録はない、怪文書だと、一刀両断のもとに、菅官房長官が、はきすてるように言いました。前川さんは、文部科学省では、大変立派な人で、多くの部下から信頼されていました。口利きの問題で、バッシングを受けましたが、これは、文科省だけの問題ではなくて、全ての省庁に関係があるものと思います。
 そして、前川さんは、参考人として、国会へ出ても良いというのです。籠池さんと同じです。臨時国会、党首討論を期待しています。NHKが、前川さんのインタビューをしておきながら、放送しなかったことは残念の極みです。民主主義を私たちの手にとりもどすために、「ダメはダメ」と言える国、ひとりひとりになりたいと願っております。

 私の読書ノートから、村上春樹著「騎士団長殺し」
 この本は、今年の2月25日に発売され、6月に音声化されました。上下合わせると900ページを超える長編小説です。騎士団とは何か?殺すとは、だいぶ物騒な話しだなあ?と、私は思いつつ聞き始めました。ネタ話を書くことはできませんが、皆様にもお勧めのために、私の心に残ったことの概略を書きます。
 登場人物は、画家をしている先生とそこに通う生徒・まりえとの出会いから思いがけない話が次々と展開されます。
 先生の友人の父親が太平洋戦争中オーストリアに行った時に、ドイツ軍がオーストリアを占領します。そして、彼の恋人が、ナチスに捕らえられ殺されること、また、大学生だった弟が、軍人として中国へ行き、軍人の練習だということで、南京虐殺に巻き込まれてしまいます。もともと音楽大学へ進学した弟は、軍の命令は天皇の命令だ!絶対逃げることはできませんでした。軍刀で中国人を何人も殺さなければならなかったのでした。
 この小説の中で、私の心を捉えたのはそのことでした。村上さんは、昨年、集団的自衛権の法律に反対を表明しました。この物語の本の一部ではありますが、村上さんの戦争反対の強い意志を感じました。その他にも男と女の恋愛も様々な角度から深く書かれております。
 騎士団長とは、絵から抜け出した人物が不可思議なことをするという物語です。落語では、左甚五郎の書いた絵から、鳥が飛び出したり、ねずみが絵から出てきたという話があります。この「騎士団長」も、それにヒントを得たとは思いませんが、村上さんお得意の、現実と過去、時空を越えての真理がふんだんに書かれています。
 私は、村上作品を10程度読みました。「海辺のカフカ」、「ノルウェーの森」、「1984」、「ダンスダンスダンス」、そして久しぶりに書かれたこの本も心に残る本です。
  暑さはこれから勝負です。お互いに健康に留意して真夏を乗り切りましょう。
 美味しそう やっぱりまずい もりとかけ(啓)




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