一日一生(10月号)
衆議院選挙について



 秋もたけなわ!この忙しい最中に、突然衆議院が解散しました。その心は、今なら自民党は負けないからかと思います。
 さてさて、この降って沸いた話に、私も遠慮なく書かせてもらいたいと思います。
 安倍総理は、当初は、10月22日の、衆議院補選3人の結果を見てから解散しようと思っていたかと思います。そこへ民進党のスキャンダルなどが入り、麻生副総理が、「今なら大負けをすることはないから選挙が良いでしょう!」とのアドバイスが入りました。菅官房長官は反対だったと聞いています。
 9月25日、総理は、衆議院を解散することを宣言しました。
 そして、27日に、小池百合子さんが、希望の党を立ち上げるのにあたって、当初から新党を考えていた、細野さん、若妻さんたちでは、この選挙を勝つことができないと見るが早いか、「希望の党は、私が前に出てリセットします」と宣言し、マスコミは沸き立ちました。都議会選挙で、都民ファーストで、圧倒的勝利を得た、小池フィーバーの勢いで、自民党を倒し、安倍総理を退陣に追い込もうと思ったのでしょう。
 その頃の支持率では、希望の党30パーセント、自民党29パーセントでした。あわてふためいた自民党、とりわけ、東京の議員たちは、総崩れになるのではないかと不安症になりました。
 週刊誌によると、安倍総理には病気になってもらって、解散を停止してはどうかという噂も走ったそうです。
 皆様もニュースで聞いていることと思いますが、ここで、希望の党が三つのエラーをしてしまいました。
 先に希望の党に行った・細野さん、民進党で3件の長をした人には遠慮願いたいと言って、いままで総理大臣を経験した人は入れないよとの排除の言葉、続いて、小池さんも、民進党の人が全て入れるなどとは、さらさら考えていませんよ!との、これまた排除の言葉、三つ目は、若妻さんが、今回の選挙では、政権を取ろうとは思っていない。次の次くらいかな?との発言。
 まだ選挙が終わってもいないのに、最初から白旗を挙げてしまいました。
 これは、小池さんと、前原さんが、二人だけで、リベラルの人はこの際入れないで、保守中道に使用との、秘密会議があったのです。
 ですから、民進党の全員が集まった時には、前原さんは、「全員入ります。もしそうでなかったら、私は切腹しますよ。と、いったとテレビで報道されました。
 民進党の中では、全員が合流して、打倒安倍内閣と思っていたのに、実は、民進党をぶち壊し、中道保守党を立ち上げ、小池さんを総理にしたいとの考えがありました。
 国民の高い支持があり、絶対に勝てると思ったら、小池さんも、衆議院から立候補する気持ちでいました。その時は、都知事を、小泉元総理になることになっていました。小泉さんならば、高い支持率が今でもあります。都民にも理解されると思ったことでしょう。
 小泉さんも、「石原知事は80歳までしていたのだから、自分が小池さんを助けて知事になっても良い。現に5年前には、細川さんが知事に立候補しました。原発0を熱心に訴えています。その主張は、小池さんも受け継いで、今回の公約でも、原発0と、自民党、民進党でも公約できないことを公約に入れました。
 ところが、先に書いた、希望の党の三つのエラーが国民に不信感を広げました。
 細川元総理は、新党を立ち上げて、政権交代をする時には、望むものは誰でも入れるものだ。今回の小池さんのやり方は小賢しいやり方だと、毎日新聞で批判しておりました。
 多様性を尊重するのが民主主義と思います。さらに加えて、選挙に出る人は、小池さんとツーショットの写真を撮りますが、それには3万円を払わなければなりません。立候補するのには、700万円を希望の党に振り込むのです。「これこそ振り込め詐欺」ではないか?との言葉が聞こえてきました。
 驚いたのは枝野さんを中心とするリベラルは、結局、立憲民主党という名前で立ち上がりました。
 喜んだのは、自民党では無いでしょうか?
 森友、加計学園だけで、追求されての選挙では劣勢に回るばかり。国難と題しての、北朝鮮問題、用事の大気問題を争点に、さらに、自衛隊を憲法に明文化しようとの懸命な争点絞りです。
 ある評論家は、以下のような興味深い例を立てました。
 「希望の党が、源頼朝ならば、立憲民主党は、兄上にいじめられた、源義経ではないか。国民は、枝野さんたちの、立憲民主党になんとなく同情を持つんだよ。排除され、いじめられているような印象があるからね。」
 私は、なるほど美味いこことを言うものだと関心させられました。
 また別な人は、芥川龍之介の「雲の糸」を例えて、民進党にいた、リベラル派の人たちは、途方にくれていました。
 希望の党に行ってしまった人たちは、極楽と思って世路コンテ行ってみたら、支持率が、30パーセントから13パーセントに落ち込みました。極楽と思ったら、そこは地獄かも知れないぞ。
 リベラルの人たちは、心落ち込んでいたら、立憲民主党という、細い糸が上から降りてきた。お釈迦様の落としてくれた「蜘蛛の糸」ではないか?
 いよいよ十日から衆議院選挙が始まります。
 これまでが私のレポートです。
 ここで私の意見をひとつ書きます。
 それは、現職、落選した人たちを含めて110人の民進党の人たちは、希望の党に行きました。集団的自衛権にあんなに反対したみなさん!地元でどのように説明するのでしょうか?
 民進党では、選挙に当選できそうもないから変わりましたとでも言うのでしょうか?
 あなたの信念、政治理念は何処にあるのですか?誰のために働くのですか?国民のためではないのですか?自分の生活と名誉のためですか?自分の権威のためですか?と、聞きたいですね。
 私は、希望の党に移っても、そういう人には、投票したくありませんね。
 「希望の党、失望ならぬ党派無い」との、時事川柳が出ています。
 安倍総理の暴走には、国民の多くが気づきました。しかしながら、小池さんの、権威主義にも、もっと驚いています。
 結果どうなるか分かりませんが、総理のピッチャー交代だけはしてもらいたいと私は願っています。
 これまでの世論調査をほとんど全てを否定して、強行採決で決めてきた5年間でしたから。
 民進党 小池にはまって さあ大変(時事川柳より)

 私の読書ノート
1 なかにし礼著「夜の歌」
 これは、なかにしさんの自伝的小説ですが、ゴーストという別人格を登場させての物語です。
 昨年、サンデー毎日に連載したものに、加筆した本です。
 なかにしさんは、1938年9月2日に、中国満州で3番目の子どもとして生まれました。父親は、酒造りの会社から初めて、政府・軍部の保護を受けて、大富豪になりました。ところが、1945年8月9日、ソ連の宣戦布告を受けて、天国から地獄への生活に追い込まれました。
 8歳の少年・なかにしさんには、この時のトラウマがこんにちまで残っています。ソ連の爆撃機が、頭の上で炸裂し、なかにしさんは吹き飛ばされました。隣には、死体がごろごろと転がっていました。父親は、ソ連兵に捕らえられ捕虜として極寒の仲で働きぼろぼろになって帰りましたが、間もなく命を失いハルピンの土の中に埋められました。
 戦争とは、如何に残酷で恐ろしいか、人間性を失い、男も女も、ありとあらゆる残虐な行為をしても、それが当然に思えてしまう。自らの基づいた体験が事細やかに書かれております。
 戦後の大学時代の貧困、そして、作詞家としての40年間の栄光時代、昭和と共に、作詞家を止めて、作家に転進します。ここ5年間で、思わぬガンに襲われます。そのようなことが書かれております。
 平和とは?健康とは?生きるとは?……
 60代に入った私も深く考えさせられました。
 若い人たちにも是非読んで欲しいと強く願います。
2 山田耕筰著「人間の記録」
 明治・大正・昭和と生きた作曲家です。
 1986年から1965年の人。甲子園球場で行われる、高校野球の作曲家です。
 北原白秋作詞、山田耕筰作曲の「この道」、その他多数が音楽教育で採用されています。
 若き日の山田さんの体験談が書かれています。特に、1910年から4年間のドイツ留学時代に、いかにしてドイツ語をマスターしたか?私にもおおいに参考になりましたし、今日でも立派に通用する方法です。
 語学をマスターするためにはどうしたら良いか?
 オリンピックが近づき、英語学習に関するコマーシャルが連日流れています。昔も今も、語学の方法は多少変化しても、真髄は同じだと確信しました。
 さて、10月22日の選挙では、今後の日本の政治がどうなるか、大変重要な時期になると思います。
 とにかく、投票率が上がることを期待しております。
 この選挙こそ国難ではないかと思います。
 この1票 未来を決める ことになる(啓)
 補足、ある人の例えです。
 寒い日のこと。1台のストーブがありました。保守の人たちは、これで暖かいから大丈夫と考えます。
 改革派の人たちは、ああ、まだ寒いからもう1台ストーブをいれなければだめだ。そして、革命家は、それでは生きていけないストーブは3台なければだめだ。との例えをききました。


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