一日一生(11月号)
命の尊さを考える


 皆様お元気でいらっしゃいますか?10月は、真冬のような日が続きましたが、11月の3日からの連休は9月のような暖かさ、汗ばむような日でした。
 3日の日、私は、家族の者と墓参りをして来ました。教会では、毎年、11月第1日曜日に、永眠者記念礼拝があります。我が家の息子は、5年前の11月18日に、33歳で病死しました。そんなこともあり、毎年11月3日には、墓参りをしております。
 教会の墓地には、16人が眠っております。最も古い方は、41年間四条町教会で牧師をなさっていた、野本先生です。私が、その野本牧師から洗礼を受けたのは46年も前のことでした。
 今回は生かされている私が、天国へ旅立った16人の正没を読んでもらい、一人ひとりの人生に思いをはせました。そして、今自分が生きている・イカされていることの貴さ、ありがたさをしみじみと考えさせられました。
 さて、今回どうしてそんなことを特に感じたか?10月30日の朝。NHKラジオを聞いていた時、行方不明の23歳の女性が殺害されたというショッキングなニュースが飛び込んできました。それからの1週刊、容疑者が逮捕され、9人の白骨化した人骨がアパートのクーラーボックスから発見されました。日本では今年最大のニュースになることでしょう。
 翌日、アメリカでは、ニューヨークで車を使っての自爆テロによって8人が亡くなり、多くの人たちが負傷しました。
 今回のこのニュースを聞いてみなさまはどのように感じましたか?報道によると、自殺願望のツイッターを利用しての殺人事件です。しかも本人は、自殺をする気持ちが全くなく、性的目的と金目当てだったと聞いております。今回逮捕されなければ、被害者はさらに増えていたことでしょう。人の命が物として扱われています。
 私は、去年、7月27日におきた、神奈川県相模原市やまゆり園」の事件。障害者の施設で、19人が殺害され、さらに多くの人たちが負傷したという、これまたショッキングなニュースが蘇りました。
 実は、宇都宮でも、最近・ビ ブライトbe brightという障害者の施設でおきた、事件がありました。障害者を殴る・けるをした指導員は、」元警察官だったと言うのです。
 これらの一連のニュースは、「弱肉強食」、社会的弱者へのいじめが日本ばかりではなく、世界に蔓延しているのではないかと言わざるをえません。
 11月5日には、アメリカテキサス州にある、サントニオバプテスト教会で、礼拝後30分して、ひとりの男が乱入し、銃乱射により、26人が殺害され、20人が負傷しました。犯人は射殺されました。
 アメリカではこのような事件が頻発しています。一月前の10月1日、ラスベガスでは、コンサートを終えて、出てきた人達めがけて、ホテルから銃を乱射して、58人が殺されました。
 Nrf(アメリカライフル協会)では、それにもかかわらず、銃の規制には反対しているというのです。オバマ大統領の時には、銃規制を涙ながらに訴えましたが、自己防衛のためには銃は必要だというのです。私たち日本人には受け入れがたいことです。
 安倍総理がフィリピンに行った時、ルテルテ大統領が、銃をプレゼントしようとしました。安倍総理、さすがに、これは日本では、所持することは法律で禁止されていますから…と言って辞退したと聞いています。
 」人の命は地球より重い」と、昔から言われていました。40年ほど前に、赤軍派が、ドバイ空港でハイジャックした時に当時の福田赳夫総理は、「人の命は何者にも変えられない」と言って、刑務所に入いた赤軍派の受刑者数人を開放し、人質になっていた人たちを救い出しました。
 対象的なのは、一昨年、後藤健二さんが、ISにイラクで捕虜になったとき、安倍総理は、インドネシアにいましたが、「テロには断固屈しない」と言ってこともあろうに、2億ドルの支援を約束しました。すぐさま、二人の日本人はイラクで処刑されました。
 自民党からの総理大臣のこの違いはなんでしょうか?
 今年になって、シリアで行方不明のジャーナリストも、その後ニュースにはなりません。殺害されたのでしょう。
 フランスでは、時と場合によっては、交渉して解放されたこともあります。
 そのような様々なニュースを見聞きすると、私たちの潜在的な意識の中に、人権というけれど、人の命の尊さは、いつのまにか消え去っていくのではないかと懸念しております。
 最後に衆議院選挙について書きたいと思います。
 10月22日、安倍総理の独断によって、衆議院が解散されました。公明党は、解散には激しく抵抗をしましたが、この時をのがしては解散のチャンスがないとばかりに、押し切りました。
 先月書いたように、小池百合子さんは、安倍さんがだめならば、私が総理になるわ、といわんばかりに、リセットしました。しかし、結果は自民党をリスルことに終わりました。公明党にとっては、34議席から5議席を失っての29議席、大打撃だったと思います。なぜならば、今までにこのような結果はなかったからです。
 投票率は53パーセントと、相変わらずの低さでした。その中で自民党が得た得票は全体の25パーセントですが、議席数はこれまでと同じ284議席でした。野党の得票数を足せば、自民党への投票を超えています。しかし、小選挙区制ですから、1票でも多ければ勝ちとなるのです。選挙制ですから止むを得ないのです。
 2年後には、参議院の選挙があります。野党のみなさんには、私の利益を捨てて、国民の立場に立って、「一致結束」して欲しいと願っております。
 スウェーデンでは、投票率が85パーセントだそうです。オーストラリアでは、選挙をしないと、2600円の罰金を払わなければなりません。
 日本では、1945年までは、女性には選挙権が与えられていなかったことを、ひとりひとりに思い起こしていただき、私たちが政治の責任が任されていることを、改めて認識したいとおもいます。
 政治に参加すること、選挙に行くこと、生活を守り、命の尊さを確認する基本だと私は思います。
 7日から、暦では立冬を迎えます。町では早々とクリスマスムードです。インフルエンザのワクチンが足りないそうです。高齢者は、予防接種をして、この冬を乗り切りたいと思います。

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