第8回 ニュースに一言




 皆様、こんにちは。お元気でいらっしゃいますか?4月もまもなく終わりです。来週からゴールデンウィークに入ります。会社によっては、4月26日から5月6日までの超GWのところもあるかも知れませんが、学校はカレンダー通りですから、家族で海外旅行はなかなか難しいでしょうね。さて、今回は話題になっているニュース(沢山ありますが)、最も気になっていることについて書きます。
1 小保方晴子さんの万能細胞について
 2月から4月までSTAPのニュースは、大変なニュースとなりました。当初は、割烹着の小保方さんの称賛のうずでした。ノーベル賞を受けるのでは…とまで言われました。しかし、その内容に様々な疑問・疑念が沸騰し、ついには、捏造・不正とまで言われてしまう状態にあります。詳細なことは、マスメディアにまかせることにします。今回は関連しての私の考えと体験を書きたいと思います。
 最も感じたことは、万能細胞の論文の中に、アメリカの研究論文から、20ページを盗用したということです。これは、著作権侵害・知的財産権の侵害になり、損害賠償を訴えられてもやむを得ないことになってしまうと思います。このことについて、私の経験を書きますと、今から8年前のこと。私は、全盲の生徒が点字をどのようにしたら早く読めるかという研究をしておりました。「自立活動」という授業でした。私は、その研究の題材として、朝日新聞の「天声人語」を題材に選びました。題材は、インターネットを利用して、その生徒にとって分かりやすい内容、やや難解なもの、そしてかなり難しいの3段階の内容を選択し、点字にして、時間を計り、どんな言葉につまずき、それが元で点字を読むことの妨げになるかを研究し、校内の「研究紀要」に発表することにしました。「天声人語」は、約800字程度にまとめてあります。その中から、5回分を抽出しました。そして、一定の結論を見出し、発表論文にまとめました。その時です。私の心を ハタと打ったものがありました。「許可なく無断転載はお断り」という言葉に気づきました。
 どうしたら良いか?このような学校内での研究でも、許可を得なければならないか?と、躊躇した私は、とりあえず、宇都宮にある朝日新聞の支局に電話をしましたが、的確な回答を得ることができませんでした。次に東京の朝日新聞に電話をしました。その回答は、有料になる場合もあります。とにかく、研究がまとまったら、本社に送ってくださいと言われました。そのようなこともあって、レポートがまとまったところで、FAXで朝日新聞の本社に送りました。そうしますと、FAXで返事が来ました。「今回の研究のためには、無料で許可します。ただし、原稿に3箇所の誤りがありましたので、訂正してください。」ということでした。私がしたことは、インターネットに出ていた原稿をコピーしたものでしたが、何故か3箇所ミスがあったというのです。この経験を通して、複製・転載には「知的財産権」という大きな壁があることを教えられました。小保方さんは、おそらくアメリカの研究者に、この件について、全く許可を取らずに、自分の論文に採用できると思って、20ページを、自分の論文の中にコピーしたのだと思います。今回のことは、小保方さん一人の責任ではなく、指導にあたった副施設長の責任の方が大きいのではないかと思うのが、私の結論です。「信じたい 理研の爺より 理系女子」(時事川柳より)
2 解釈改憲は恐ろしい
 衆議院・参議院選挙が終わって間もなく1年になります。安倍総理を筆頭に、自民党の石破幹事長を含めて、憲法改正者たちは、憲法を改正できないとなると、現在の憲法でも、集団的自衛権は認められると言い始めました。内閣法制局は、長年、自国が侵略された時にのみ、自衛隊が国を守るために戦うことができるという、個別自衛権の見解でした。しかし安倍総理は、自分の意見に追随する人たちばかりを集めての、仲良し体制を組み始めました。NHKの会長にしても、同様です。衆議院・参議員・都知事選挙において、自民党は、原発については、徐々に減らして行くと公約しておりました。選挙が終わった途端「ベースロード電源」とかいう、訳の分からない言葉を使い始めました。結局、これは原発は止めませんよ。外国にも輸出しますよとの解釈に他なりません。アメリカやドイツでは、日本の原発再稼動反対のデモが起きているのです。
 この原発再稼動反対について、先日のラジオ放送で興味深い話を聴きました。4月6日から文化放送で始まった放送です。みのもんたさんと田原総一朗さんとの時事談話の一つです。都知事選挙の時に、田原さんが、支持政党の幹部に、宇都宮氏に辞退してもらって、細川さんを一緒に押せば、舛添さんに勝てるかも知れませんよと熱心に説得しました。その幹部は、「できれば、そうしたいのですが、我が党は、それだけの柔軟性がないのです。」と、残念がっていたとのことでした。結果を見れば、二人の投票数を合わせれば、舛添さんとほぼ同数でした。大雪もあって、投票率は極めて低いこともあり、原発ゼロを主張した二人は共倒れでした。この原発に関して、細川さんと小泉さんは、これからも、原発反対運動はやめないと、文芸春秋の2月号で語っていました。また、4月15日の新聞には、細川氏・小泉氏がタッグを組んで、原発再稼動反対を意識しての社団法人を立ち上げるとのニュースがありました。八重の桜ではありませんが、「ならぬはならぬ」と、叫ぶ必要があると思います。特に、60代から70歳になろうとしている1千万人に及ぶ人たちの影響が大きいと思います。憲法9条が、解釈によっては戦争も可能であるとは驚くばかりの解釈です。
 それに対して、3月の下旬に「戦争をさせない会」というグループが結成されました。NHKをはじめ、多くのマスメディアは無視しました。瀬戸内寂聴さん、落合恵子さん、香山リカさん、澤地久枝さん等の著名な人たちが、集団的自衛権に対して立ち上がったのです。公明党も、さすがに慎重な態度を示しています。私が調べたニュースでは、集団的自衛権を支持する人が35パーセント、支持しないが52パーセントと聞いています。内閣で決定して良いものではありません。原発を含め、総選挙に匹敵する程、大切なものと思います。今、憲法9条をノーベル賞にしようという動きがあります。そもそものきっかけは、一人の主婦がインターネットを使って署名運動を始めました。そして、大学の先生たちや国会議員も加わり、2万5千人の署名が集まり、受理されています。引き続きの署名が続いていると聞いております。70年に渡り戦争をしなかったのは、憲法9条のお陰であるというのが、その趣旨であります。一人の女性の発案から、ノーベル賞受賞へと広がりをみせるということは、実に嬉しいニュースですし、その女性に拍手を贈りたいものです。そして、もしノーベル賞が認められた時の受賞者は日本国民となります。今年が認められなくても、継続してやりたいという話です。憲法改正の動き、集団的自衛権の解釈が進められている今日、憲法9条がノーベル賞を受けるとなれば、内閣だけで、勝手に決定する動きへの歯止になると思います。
3 8パーセント それよりすごい 8億円(時事川柳)
 都知事選挙が行われたのは、今年の2月のことでした。「みんなの党」の代表、渡辺喜美は、都知事選挙中、「細川さんは、佐川急便から献金をもらったはずだが、きちんとした説明もしていない。金権選挙をした人が、また都知事選挙に出るとは論外だ」と言っていました。それから二月もたたなくして、支持者の社長に、「8億円を貸して欲しい、60人分の選挙資金が必要なのです。」とのメールが来ました。そして今回、メールと共に明らかにされました。「みんなの党」は、渡辺党です。個人・零細企業ですから、ダメージはさぞかし大きいことと思います。私が知りうる情報は、渡辺さんを支持した社長は、健全な野党の連帯を支持していました。それが、安倍総理と会食し、集団的自衛権の支持、そして大臣ポストの話まででたという「噂」が流れました。8億円を提供した社長にとっては、「話が違うぞ」ということになったのだと思います。8億円を銀行に振り込んでもらいましたが、個人としての報告を確定申告をしていなければ、選挙に関しての届けもありませんから、猪瀬さんの5千万円より話は大きいことになるはずです。しかし、これも国会会期中は、議員は法律によって守られています。会食を共にした総理に「助けてください!」とのSOSのメールが行っているのではないかと思います。そして、残りの5億円も利子をつけて返したといいます。いったいどこから出ているのでしょうか?そんなに早く返せるのならば、借りる必要もありませんでしたね。このことについての裏話は書かないことにしておきます。そのうちに、週刊誌で明らかになるかと思います。日曜日の午後4時から4時半までのラジオ文化放送「みのもんたのディスカバリーアゲイン」を聴いてみたください。ストリーミングでも後から聴くことができます。
 この他にも、4月16日には、韓国の船が沈没し、300人に達する人たちが行方不明という、大惨事がおきました。修学旅行の高校生がほとんどです。心が痛みます。消えたマレーシア機、佐村河内さんの話、ウクライナとロシアの危険な関係等、日々刻々と時代が動いています。アメリカでは、崖っぷちの予算が火花を散らしています。共和党は、オバマ大統領に向こう10年間に5兆ドル(約500兆円)の支出カットで攻め立てています。日本も、ギリシャなみに大赤字なのですが、なんとなく平穏を装っています。大丈夫でしょうか?アメリカの株が下がると日本の株も連動しています。インフレから逆デフレとなり、多くの企業が倒産しないことをひたすら祈っています。地方では、仕事がありません。特に、若い女性たちが地方を離れて東京・大阪へ仕事にでかけています。その結果、地方では、過疎化と共に、若い女性が減少しており、30代の男性の結婚率は、40パーセントに達しています。東京に出かけた女性たちは、ハウスシェアーといって、2段ベッドの4人ベッドの部屋で寝泊りをしています。お風呂、キッチンは共同です。それでも、家賃は4万5千円です。ハウスシェアーは仕事の紹介があるので、スーツケースひとつで東京に向かえば心配が無いというのです。しかし、ほとんどが非正規社員なので、ダブルワークといって、昼と夜の仕事をしている人も増えています。夜の仕事といえば、おおよそ検討がつくことと思います。日本の社会はどこへ行くのでしょうか?50年前の集団就職、「ああ上野駅」の再来ではないかと思ってしまいます。
 毎日のニュースを聴いていると、どうしても寂しく、辛い話になって来ます。しかし、これが現実であることを受け止めて、さらに自ら希望をもって歩みたいものです。聖書には、"hope against hope"という言葉があります。「希望とは希望がないときにもつものである」との意味です。日々の生活に希望と目標をもって生きるようにと、私は自らに言い聞かせております。
 次回は5月10日の予定です。楽しいゴールデンウィークをお過ごしください。



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