第9回 連休ベリーマッチ




 今年も早いもので、5月に入りました。連休をどのように過ごしましたか?私にとりましては、毎日が連休のようなものです。ゴールデンウィークとは、もともとは、映画界で、この時期に映画を沢山の人たちに見てもらうために、新作を発表したと聞いております。ゴールデンといえば、英語では、定年退職後の人生を「golden years」といいます。悠々自適といいたいところですが、なかなか理想どおりにはいきません。ついでに、"golden opportunity"とは、絶好のチャンスという意味になります。  さて、今回は私のgwのすごし方について、書くことにします。
 4月29日(火)、例年の様に、栃木県立盲学校の同窓会の集まりが、宇都宮市内のホテルでもたれました。午前中は総会をして、午後12時半から懇親会でした。私は、盲学校に就職してから39回目を迎えましたが、その中で欠席したのは1回だけでした。87年の年に、父が危篤の状態にあって欠席しました。それ以外は、38回出席していると思います。当初の15年間は、事務局を担当しておりました。その後は、盲学校の関係者として参加しております。同窓会のスタートは、ハッキリと記憶しておりませんが、50年程前に、当時の同窓会長と理療科の責任を担当していらっしゃった、斉藤伴一郎先生方が発起人となって始まりました。総会は、当時、駒生町にあった盲学校を利用していました。学校を利用して総会をして、その後の懇親会は、近くにある「味楽」(みらく)という料理店に移って、祝杯を挙げていたと聞いております。その後、私が関わりをもっていた頃は、盲学校のあった駒生町のレストラン「コンセーレ」で行っておりましたが、会長が代わるたびに、会場も何箇所かに移動しました。本来は、同窓会なので、卒業生の集まりでしたが、数年前から、かつて盲学校で勤務されていた先生方にも参加していただきましょう!ということになり、名称も「とちのみ会」と変えて、懇親会も、とちのみ会の懇親会となりました。総会だけは、同窓生で行っております。
 前置きが長くなりました。今年も、とちのみ会の懇親会には、以前盲学校にいらっしゃった先生方、関係団体の方、現在の盲学校の校長先生方の参加をいただいて、にぎやかで楽しいものとなりました。同窓生の参加が年々少なくなって来ているのが寂しく感じました。高齢化と共に、亡くなる方も増えて来ました。病気のために欠席される人も増えました。しかし、最近は、盲学校を卒業したばかりの人も参加するようになり、2年前に退職した私にとりましては、彼らとの再会は本当に嬉しいことです。特に、国家試験に見事合格し、就職して一月の皆さんの声は明るく弾んでいました。私の心も躍りました。2次会は、有志による、カラオケとなっています。私はそちらは失礼して、コーヒーを飲んで帰宅しました。
 翌日30日、English Cafeの集まりが、喫茶店でありました。今回は、栃木YMCA、フィリピンのナボタスという所から、2人の青年を招くというニュースを聞きましたので、そのゲストを迎えての文化交流となりました。いつものヤングママたちと共に、2時間近く、二つのグループに分かれてフィリピンの文化や生活について話し合いをしました。フィリピンでは今が最も暑い夏休みと聞いて、ヤンママたちはビックリしたようです。日本の夏休みは、7月から8月ですから、夏休みと英語で言っても、国によって違うことを再認識することとなりました。私は、87年の夏、フィリピンにYMCAのワークキャンプで行った時のことを懐かしく思い出しました。フィリピンの人たちは、実に明るくおおらかです。経済的には決して恵まれず、日本に仕事を求めて働きに来ているフィリピンの人たちも沢山います。多くが女性ですが、自国の家族を助けるために、一生懸命に働いて、家族に送金をしています。2時間の交流の後は、近くのカラオケ店に移り、ランチとカラオケを楽しみました。二人の青年もカラオケは大好きで、フィリピンでも楽しんでいるとのことでした。27年前に、私がフィリピンに行った時は、カラオケはまだありませんでした。その青年は、宇多田ヒカルさんの歌や、SMAPの「世界にひとつだけの花」を実に上手な日本語で歌っていました。ヤングママたちも、さすが慣れている美声で、見事に英語の歌を高らかに歌っていました。私は、持ち歌の、細川たかしさんの歌と、長渕剛さんの乾杯を歌って歓迎を表しました。日本に来て三日目の青年たちは、これでかなりリラックスできたように感じられました。雨が1日降り続きましたが、農家にとっては、田植え前の「恵みの雨」ではないかと思いました。英語とカラオケ!これまた楽しい1日でした。ちなみにカラオケは、made in Japanですが、キャリオケと言わないと分かってもらえませんね。
 5月3日(土)は、こちらも例年開いている栃木愛信会の修養会と総会を行いました。この会は、私たちの恩師・鈴木彪平先生の教え子たちのクリスチャンとその家族の集まりです。発足して62年になります。鈴木先生が召天されたのは、1980年ですが、あれからもう34年になります。最近は先輩たちの中で、召される人たちが続き、次第に会員も少なくなって来ていますが、信仰は熱く燃えています。私たちの希望は、この地上での生活ばかりではありません。永遠の御国への旅の途上にいると信じているからです。私たち、愛信会のみんなで総力を挙げて、35年前に立てた愛信ホームも老朽化して来ました。補修・維持・管理も大変な課題となっております。建物を整理し、身軽になっての会の活動へと改革していかなければならないことを熱心に話し合いました。今年の大きな取り組むべき課題と思います。
 5月4日は、いつものように、家族で教会に行きました。GWのこともあり、旅行中の家族なども多く、礼拝の出席者はいつもより少なく感じました。他方、宇都宮が実家にあったり、旅行の途中で、私たちの教会に出席してくださる方も数名いました。
 5月5日、こどもの日ですが、我が家は恒例のカラオケ大会です。高校生の娘は、友達とカラオケの予定があっていそいそと出かけました。我が家の娘と、かつて里子として9年間暮らした娘と一緒に3人でカラオケにでかけました。妻は、疲れを取るための「安息のときです」。3時間から4時間が定番になっています。以前より、カラオケも料金が安くなっています。フリータイムですと、夜の10時までは、一人当たり700円程度です。高校生たちは10時まで8時間も歌い続けていると聞いています。この日は、やはりカラオケ店は混み合っており、フリータイムといっても、3時間で切り上げてきました。60歳を超えた人は、シルバー料金で、70円の割引ですが、ちょっと複雑な心境です。私は、ボランティアによって点訳された、カラオケ歌集を持って行きますが、やはりお気に入りの歌になってしまいます。障害の有無に関係なく楽しめるのは嬉しいことです。このようにして、私のGWは、あっという間に過ぎました。
 さて、ここでひとつ気になったことを最後に書きます。それは野球の話です。4月11日の阪神タイガーズと読売ジャイアンツの試合の時でした。結果は、タイガーズの勝利で、甲子園球場は盛り上がっていました。その時のヒーローは、ピッチャーがメッセンジャー、ホームランを打ったのがマートンでした。試合の後のインタビューで、お立ち台に立ったのが、先の2人でした。インタビューが始まりました。アナウンサーが、ピッチャーのメッセンジャーに向かって「今日のマートンさんのホームランは実にすばらしかったですね。マートンさんは、神様のように思えたのではありませんか?」と、聞くではありませんか?それを聞いていた私、ビックリしてしまいました。日本人の選手ならば違和感がないのですが、外国の人には禁句です。イスラム教・ユダヤ教・キリスト教は一神教ですから、神様は、唯一の絶対なのです。マートンが神様となる分けはありえないのです。マートンは熱心なクリスチャンと聞いています。メッセンジャーにしても、同様かと思います。その時のメッセンジャーの答えは、「今日はマートンのお陰で勝つことができました。マートンはすばらしい働きをしました。」とコメントしていました。通訳が、マートンが神様というのをどのように訳したか?Godとは言わなかったと思います。インタビューをするアウンサーには、文化と宗教についての基本的な知識を持って欲しいとつくづく思いました。「お客様は神様です」とは、三波春夫さんの名言ですが、日本にだけしか通用しない言葉だと思います。
 そういえば、5月5日の夜のNHKラジオ第1放送で、夜の9時5分から、プロの語り部・山田雅人さんが、長嶋茂雄物語を演じました。幼小期から今日に至るまでの78年の人生物語でした。59年の天覧試合でのジャイアンツとタイガーズの試合で、長嶋さんが、昭和天皇の前で打った2本のホームラン、しかもさよならホームランは、当時の風景をまざまざと思い出すことができる感動の語りでした。
 こうして、5月も半ばになりました。学校では間もなく中間テストですね。気持ちを切り替えて頑張ってください。新緑の五月を楽しみましょう。美味しい空気を吸って、小鳥たちのさえずりに耳を傾けたいと思っております。次回は、5月24日の予定です。




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