第12回 ちょっと良いニュース




 皆様、こんにちは。お元気でいらっしゃいますか?メルシーとちのみも、1年の半分になりました。今年は25回を目標に、徒然なるままに書いておりますが、毎回200人の人たちがホームページを開いて読んでいただいていること、心より感謝申し上げます。偏っての見方もあるかと思いますが、そこは、私の個性としてご理解いただけましたら感謝です。ワールドカップでは、日本が残念ながら予選敗退となりましたが、精一杯の戦いに拍手を送りたいと思います
 さて、今回は、最近経験していることから、嬉しいニュース、心に残る話を書きたいと思います。
1 道に迷っての体験
 我が家は6年前に、長年住んでいた所から、200メートル程、東に移動したところに引っ越しました。バス停が今までどおりと同じということで、一人歩きが可能というのが一番の理由でした。ところが一昨年のこと、区画整理によって、バス停が150メートル西へ移動をしてしまいました。そんなこともあって、僅かなズレでも私に取りましては大変なできごとでした。30年歩きなれたバス停までの道のりが変わってしまったのです。しかし、やはり一人で歩いて行く事ができないと自立滑動は困難です。一人で歩いていると、近所の奥さんたちから、「一人で歩いて大丈夫ですか?奥さんはどうしているのですか?…」との声がかけられることがあります。そんな時、私は次のように答えています。「はい、いつも妻が一緒という訳には行きませんからね。一人で生きていくことになれていないと、私のしたいことができないこともありますし、妻が病気になったら何もできなくなりますからね。私は足も不自由ですが、フラフラ・ヨタヨタしながらでも、人生を歩いて生きたいと思うのですよ。結局どっちかが先に天国に行くのですが、絶対私が先という保証はありませんからね。」との、相変わらずの理屈っぽい説明をしています。
 しかし、そんなある時、バス停までの10分程度なのですが、勘違いをして、方向を間違えてしまいました。一度感覚を失い、あせりだすと、分かるはずの所が分からなくなってしまうのです。私にとっての道しるべは、大谷街道を疾走する車の音なのです。車の音は、確かに聞こえるのですが、いつもと違う方向から聞こえて来ます。福祉センターでの点字教室には遅れたくないし…。冷静になろうと、しばらく立ち尽くしていました。その時でした、「バス停に行くのですか?」という、若い女性の声が後ろから聞こえて来ました。「はい、毎日通る道なのですが、迷ってしまいました。」「そうですか、私もこれからバスに乗りますので、一緒に行きましょう!」との、優しい声でした。私はその女性の右ひじにつかまらせていただいて歩き始めました。「あのこの辺にお住まいなのですか?」と、私は話題をふってみました。「いいえ、夕べは私の彼氏の家に泊まって、彼の家に車を止めて、これからバスに乗って町の方で仕事をするのです。」私は、その女性の優しさに感謝をすると共に、ドッキリとしてしまいました。彼女の話し方にはなんのくったくもありません。私の感覚では、女性が独身なのに、彼の家に泊まるということなどを、見知らぬ人に話すという感覚は、全くの想定外のことなのでした。ああ、我輩も古い人間なのだなあ?と、納得してしまいました。
 1973年、かぐや姫がヒット曲を出した「神田川」の頃から若い男女が同棲することが当たり前のようになっていきました。22歳の別れでは何と、17歳から一緒に暮らしたとの別れの歌でした。私たちが受けた教育は、結婚をするまでは、純血を守りましょうでした。しかし、迷い道にたたずんでいる私を助けてくれた若い女性、私は本当に感謝の気持ちでいっぱいになりましたし、彼女のいったことにも、今ではなんのちゅうちょやはじらいも感じません。そういう時代に歴史は変わっているのだなあ?と、彼女を通して教えられました。お陰様で、無事、予定のバスに乗ることができました。その女性との再開はあれ以来ありません。私も「ランドマーク」と視覚障害者が迷わないように、単独歩行をする時のチェックポイントを把握して、今では迷わずにバス停まで行ける様になりました。あれから半年、彼女には幸せになって欲しいと願っております。
2 パソコンの遠隔操作のこと
 6月10日のことでした。私がインターネットで契約しているプロバイダーからメールが来ました。OCNという会社なのですが、その内容によると、「今回から、利用に関する確認やポイントの確認・連絡方法が変わります。重要ですので保存すると同時に、新しく登録してください」との連絡でした。そして私の新しいIDとパスワードが書いてありました。ところが、数字と英文字の20字にもおよぶ実に複雑な暗号です。他の人には、わからないように組み合わせてあるのだと思います。しかし、これは、私には手におえないことです。自宅にいて、時間はたっぷりあります。早速フリーダイヤルで、OCNのカスタマーズフロントに電話をしました。すると電話口に出た女性が、「お客様、プライバシーの保護の立場から、パソコンを利用して、ご自分が登録をすることになっております。」との優しい話し方でしたが、その中身は厳しいものでした。そこで私は、自分が視覚障害者であること、音声パソコンを利用して、メールやインターネットを利用していることを話しました。以前には電話によって契約内容を変更していただいたことがあったことも言いました。さらに加えて、この長いIDとパスワードを、指定されたところにコピーすることは、私にはできないのです。とも付け加えました。その女性はしばらく間をおいて、遠隔操作をしてもらえる、プレミアムサポートの電話番号を教えてくれました。そこで私は、指示されるままにその電話番号に連絡をとって先のことと同じことを話しました。そしていよいよ遠隔操作によっての、登録変更が始まりました。私の生年月日、電話番号、メールアドレスから10項目程の確認の後に、私のパソコンを言われるままに動かし始めました。今回のサポートは男性でしたが、大変親切な人でした。無事登録するまでに何と2時間もかかりました。
 私がしたかったことは、毎月の獲得ポイントを、キャッシュバックといって、利用代から自動的に差し引いて欲しいということでした。毎月100円になるかならないかですが、経費節減からできることはやりたいというのが、私の性格なのです。OCNのお陰で、無事目的を達成することができて、ひと安心しました。終了時に、対応してくださった人から、「お客様から当社に何かご要望がありますか?」と言われましたので、待ってましたとばかりに、以下のことをいいました。
 一つ、視覚障害者の中、私の友人の多くの人たちがOCNを利用しております。その中には、パソコンに精通している人もいますが、使うことはできても、登録などには難しい人も沢山います。是非配慮のある支援をお願いします。例えば、ID・パスワードにしても音声だけでは理解できませんから、点字でのインフォメーション、あるいは電話でのサポートを充実していただきたいと思います。
 二つ、例えば、NTTとOCNは、関連会社のはずなのですが、支払いは別々、IDパスワード、支払い方法も別々と大変わかりにくいのです。これは視覚障害者ばかりではなくて、高齢者にとっても同様のことですし、私のように、獲得ポイントを、月額使用料から差し引くことを知らない人も沢山いることと思います。そのようなことを、利用者のために是非改善して欲しいと思います。
 そのようなことを申し入れました。そして、国連の「障害者権利条約批准」をしましたが、合理的配慮事項というのがありますので、障害者への支援と配慮について、会社として検討してくださいと、私自身も勉強中の一説を加えました。
 今回のことを通して、私が感心し、驚いたことがありました。それは、遠隔操作のすばらしさです。ハイテクといいますが、私の手元にある、パソコンを次々と行っていく、技術者の技には、ただ驚くばかりです。敬服してしまいます。すばらしい知識と技能の持ち主です。と同時に、昨年来ニュースになっていた、ウイルスを何の関係もない人に送り込んで犯人にしたてたり、その容疑者のアリバイを作るために、パソコンを送信した日にちと時間をずらすことができるなど恐ろしい時代になりました。さらに加えて、ネットバンキング(私は全くしていませんが)勝手に入り込んでパソコンのIDとパスワードを盗み出し、パソコンの銀行から金を盗み出したり、情報を盗み出すことができるという、便利さと共に、沢山の落とし穴があることに、恐怖を感じる時代となりました。スノーデンが、ロシアに亡命し、アメリカのCIAの盗聴事件を暴露しました。今やパソコン、スマホを利用している人の情報は、世界中に流出していると覚悟しなければなりませんね。この「メルシーとちのみ」が流出して、一人でも多くの人に読んでいただけることは大歓迎なのですが……
 最後に皆様、すでにご存知かと思いますが、一応お知らせしておきます。6月1日から、ドコモでは、料金の大幅値下げを始めましたね。そのほかの携帯電話のメーカーも 追随していると聞いています。たとえば、ドコモのいわゆるガラケーでは、かけ放題というのがあって、携帯電話から、どの携帯へでも、また固定電話でも、2376円を支払えば、24時間無料で、好きなだけ通話することができるようになりました。迷惑やイタ電はやめにして、友達と好きなだけ話せるようになりました。認知症の予防には間違いなく効果があると思います。話せば話すほど、脳が活性化されると思います。一人暮らしの男性では、2週間、誰かと話をするという人が4パーセントしかいないというのです。つまり、20人に1人いるかいないかの確率です。ほとんどの男性が、一人ぼっちの生活で話もしていないという恐るべきデータが出ています。女性の場合は、17パーセントですから、5人に1人が、2週間誰とも話しをしないというのです。今回の通話料の定額化は、本当に嬉しい話です。噂話や人の悪口は控えて、質の高い話をしたいものです。心が温かくなる話をしたいですね。
 さて、いよいよ7月になります。次回は、7月12日の予定です。熱い夏、今年も平和を真剣に考える夏となりました。体調に留意して生きたいと願っております。阿部パスしても、しかし山口 シュートせず(時事潜流より)




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