第22回 ギャンブル選挙た




 11月13日のインターネットを開いていましたら、安倍総理はAPECに出かける前に、自民党と公明党の幹部に11月18日に衆議院を解散すると言って出かけたとありました。これで、私の謎が解けました。9日の読売新聞では、12月14日または21日に衆議院の選挙があるとの大予告でした。やっぱりなあ!とは、思っていましたが、安倍総理から読売新聞への情報のクリスマスプレゼントだったのだと思います。というのは、この2年間のアベノミクスは、失敗だったことを自ら認めたということになります。17日に、政府が発表することになっているGDP(国内総生産)7月から9月の消費等の結果について、予測を遥かに下回っていることを、総理は聞いて分かっていたのでしょう。
 さて、ここで11月11日の、yahooの個人投稿にありました、選挙のメリットとデメリットというニュースがありました。ここにその主な所を引用させていただきます。
 解散・総選挙の可能性、消費税引き上げ「先送り」以外の理由?
 竹中 治堅(政策研究大学院大学教授) 2014年11月9日(中略)
 解散のデメリット
 消費税引き上げを先送りし、解散することの問題、あるいはデメリットは以下の四つである。第一に、来年10月に消費税を引き上げることはすでに法律に定められており、法律を改正する必要があること。第二に、麻生太郎副総理・財務大臣、谷垣禎一自民党幹事長ら自民党の有力政治家は消費税の再引き上げを支持しており、引き上げを先送りし、解散総選挙することについてはかなりの調整が必要なこと。第三に、引上げが遅れれば、すでに最悪の状況にある我が国の財政健全化が遅くなり、国債への信任が損なわれる恐れがあること。仮に長期金利が上昇する場合、これは景気の足を引っ張ることになる。第四に、政策のぶれに対する反発を国民の一部から招く恐れのあること。自民党は消費税10%引き上げを2010年の参議院議員選挙以来主張してきた。この段階でぶれることについての反発を招く可能性がある。
 メリット1「自民党有利の選挙情勢」
 一方、消費税引き上げを先送りし、解散することのメリットは以下の四つである。何よりもまず、現在、解散総選挙を行うのに自民党は有利な状況にあること。不祥事により二人の閣僚が辞任した後も内閣支持率は高い。10月末に日本経済新聞社が行った世論調査によれば、内閣支持率は48%、不支持率は36%である。自民党の政党支持率は37%である。野党の支持率は低く、民主党は6%、維新の党は2%である。さらに、野党は分裂状況にあり、小選挙区制中心の衆議院総選挙では自民党は戦いを優勢に進められると考えられる。第二に、現在も景気回復の足取りは重く、来年予定通り10%に引き上げを行った場合、2015年後半から16年前半にかけての経済状況に悪影響を及ぼすことが考えられるが、これを避けられること。第三に、第二の点とも関連するが、2016年夏に予定される参議院議員選挙に対する不確実要素を一つ取り除くことができること。15年後半から16年前半にかけて景気情勢が悪化した場合、参議院議員選挙にも悪影響が及ぶ可能性がある。与党が参議院で過半数議席を確保できない、いわゆる「ねじれ」国会の状況が政権運営に大きな悪影響を及ぼすことは2007年から2012年までに政治過程が示している。安倍首相は「ねじれ」を何としても避けたいと考えているはずで、次期参議院議員選挙も念頭において政権運営を考えているはずである。
 メリット2「安保国会における審議促進」
 第四に、解散に踏み切り、勝利を収めた場合に、選挙後の来年の国会における法案審議を促進する材料となること。もともと来年の通常国会で安倍内閣は集団的自衛権についての憲法解釈の見直しに伴い、自衛隊法改正などを実現する考えである。集団的自衛権見直しに伴う安全保障関連の改正法案はいずれも与野党激突法案になることは必至である。直近の総選挙で勝利していた方が、「国民の信任を得た」と主張することができ、「安保国会」における法案審議をより促進できる可能性が高くなる。岸信介元首相は1960年1月に新日米安全保障条約調印後、衆議院解散総選挙を考えたものの果たせなかったという。周知の通り、安保条約の批准過程は混乱し、岸元首相は批准後の退陣を余儀なくされた。解散総選挙を行い、自民党が勝利した後に、批准に臨んでいれば、「国民の支持を獲得した」と説明することができ、政治過程の混乱は避けることができた可能性が高い。
 現在は、解散と消費税引き上げ「先送り」の可能性ばかりが論じられている。しかしながら、仮に解散・総選挙に踏み切った場合、第四のメリットの方が政治的には大きな意味を持つと考えられる。冒頭にも述べたが、前回総選挙から2年以内の解散は通常考えにくい。しかしながら、安倍首相の日本の安全保障のあり方への思い入れはとても強い。解散・総選挙が来るべき「安保国会」に対して持つ影響を考えた場合、早期解散を簡単には否定できないのである。
 ここで私(阿久津)の意見を書くことにします。11月21日に、衆議院が解散されることになりました。本来ならば、圧倒的多数を持つ、自民党なので、解散をしなくても、国会で法案を再提出すれば消費税を上げなくても良いのです。ではどうして、解散しなければならないか?私が調べた結果は、こうです。安倍総理は、解散をせずに、消費税値上げの延期をしたかった。しかし、財務省から、消費税を上げないと、日本の経済が破綻すると、強い圧力が働いたのです。安倍総理は、自らのアベノミクスに追い込まれました。解散をしないと、消費税の延長ができなくなってしまったというのです。「やぶれかぶれ解散」といっても良いかも知れません。50議席程度を減らしても止むを得ないと考えています。
 前に、黒田日銀総裁は以下のように言いました。「向こう2年間いないに、インフレを2%上げます。消費を拡大し、経済の活性化を図ります。もしできない時は、私は責任をとってやめます。」そして、ご存知の通り、ジャブジャブと金を国内にばら撒きました。その結果、期待されていた、企業の設備投資、そして円安の効果によっての輸出の伸びが起こるシナリオでした。しかし、企業は、幾ら低金利でお金を貸すと銀行が言っても、景気が良くなるどころか、停滞するばかりでは、設備投資はさっぱり進みませんでした。中小企業は、円安の影響をまともに受けて、赤字決算、倒産。輸出は、ほんの一部だけで、すでに企業ぐるみで海外へ移転しています。したがって、ガソリン・灯油を始め、輸入品が高騰するばかりです。
 物価は上がりましたが、相対的には賃金や年金が下げられ、おまけに消費税が8%になった結果、原材料が上がったこともあり、私の印象では、多くの物価が10%近く上がったような気がします。較差が拡大し、社会は不安定となりました。本来ならば黒田さんには、責任をとってもらって、辞任してもらわなければなりません。
 今回の安倍総理の解散選挙によって、黒田総裁のやったことは、ハシゴをはずされてしまいました。アベノミクスなる消費拡大、経済成長の3本目の矢は、全く飛ばなかったのです。矢が折れたのか、飛ばそうと思っても、的まで行かないで落下してしまったのではないでしょうか。これでは「やだねえ」と言わざるを得ません。
 国民の関心が、景気に気をとられている間に、内閣では集団的自衛権が閣議決定されました。そもそも、消費税の8%についても、前回選挙での公約にもなっていませんでした。そして、選挙で公約にもならなかった、特定機密法案が国会を通過してしまいました。
 2年前の選挙の時は、日本列島大雪のために、本当に低い投票率でした。今回の選挙に当たっては、頼りない野党とはいえ、しっかりと議論をして、将来への公約を打ち出して欲しいと思います。私たちが集団的自衛権に対して賛否が問われています。厳罰についても、2年前は争点にはなりませんでした。特定機密法案も公約にはなかったのです。60歳以上の4千万人におよぶ私たちの責任が大きいと思います。若者たちもしっかりと未来を考えての投票をして欲しいと願っております。
 今年も、2年前と同じ「師走選挙」となりました。慌ただしい年末です。メディアに流されず、じっくりと考えて、選挙に臨みたいと思います。
 「総理留守 解散選挙誰決めた」(時事川柳)
 「安倍の山 決まり手出した 先送れ」(時事川柳より) 
 「にらめっこ わろうたらダメよ 習近平」(時事川柳)
 次回は12月6日の予定です。



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