第24回 今年のニュースを振り返る




 皆様、年末を迎えてお忙しいことと思います。私は、クリスマスシーズンを迎えてけっこう忙しくしております。21日には、教会でクリスマス礼拝があります。その後、有志が、オリオン通りに出かけて、クリスマスキャロルを歌って来ます。我が家からは妻と上の娘が参加します。23日は、教会学校の子どもたちとのクリスマス会があります。この時には、附属幼稚園の子どもたちと保護者が沢山参加するので、にぎやかになります。24日の夜は、教会では、クリスマスイブ礼拝があり、普段は教会に足を運ぶことのない、若いカップル、家族ぐるみの参加があります。ここまではとても忙しいのですが、やはりワクワクする季節でもあります。
 さて、今回は今年1年を振り返って、心に残るニュースをピックアップして書きます。
1 14日の衆議院選挙について
 もうすでに結果は明らかになりました。皆様、様々なお考えをおもちのことと思います。正直言って、自民党が2年前と同様に、圧勝するとは思ってもいませんでした。世論調査では、与野党が伯仲しているのが望ましいという、声が70%近くありました。しかし、それとは裏腹に、前回とほぼ同様、3分の2を自民党と公明党が勝利しました。これでは、選挙をしなくても良かったではないか?と、言いたいくらいです。それでいて、選挙の結果が良かったかというアンケートには、良かった27%、悪かった27%というのです。投票率が52%と、史上最低です。安倍総理にはそこが狙いだったのかも知れません。以前、森総理が、「国民には寝ていてもらうのが一番いいんだよ」と、言った時もありました。本来ならば70%の投票率があり、自民党が300議席獲得するならば、何も申し上げることはありません。5人に1人の自民党への投票で、300議席を得るというのは、選挙制度とはいえ、なんとも理解しがたいことですが、しかし、行かない国民に責任があるのですから、止むを得ませんね。
 一点だけ、なんとも納得の行かない数字があります。自民党・公明党への支持票が2622万票なのに、野党への投票数を合計すると、2670万票数になるというのです。これは、いくつもの党に分かれているのですから、止むを得ないのですが、次回の選挙のためには、議員定数を80人減らしてもらいたいと思います。沖縄では、小選挙区では全て敗れた自民党。しかし、比例で全員が当選しています。沖縄のジレンマを垣間見た気がします。
 来年以降、「アベノミクス」がどうなるか、関心をもってみたいと思います。格差社会が広がり、前回も書きましたが、貧困にあえぐシングルマザーの家では、「おにぎりパーティー」と言って、毎晩おにぎり2個だけしか食べられず、それでは寂しいので、「今夜も、おにぎりパーティーだよ」と、母親が6年生の娘に話しているという新聞記事を読んだ時、なんともいえない悲しみがこみ上げて来ました。
2 コンピュータ社会について
 今年は、コンピュータ操作による自動車が開発されたり、水素による自動車が開発されたという明るい話もありました。他方、インターネットによる、振り込め・投資詐欺が年を追うごとに増えています。文明の発達によって、便利になる反面、リスクも大きいことを知る1年でした。いつ、どこで知りえたのか、視覚障害者の家にも、あなたが視覚障害者であることを知った上での振り込め詐欺が宇都宮でも出始めました。具体的には、開業をしている人の家に、税務署をなのっての振り込め詐欺。また、市立図書館からお金に関する振り込め詐欺まで出始めたというのです。個人情報保護などと言っても、今や全て情報が流れていることを覚悟しなければならない時代になったのだと痛感しました。
 さて、ここでは、二つのことを付け加えたいと思います。1つは、Drawn(ドゥローン)というものです。以前から、アメリカでは、タリバン等を攻撃する時に、画面を見ながら、コンピュータを使ってアフガニスタンやイラクの過激派を攻撃していました。最近では、これが日本でも、企業では活用されるようになって来たというのです。5万円程度で、手に入るそうです。例えば家庭に何かを直接送りたいという時に、このドゥローンというものを使って、空から物を届ける「ナビゲーション」だというのです。伝書鳩ではありませんが、コンピュータを使って、お使いをさせるのです。将来は、コンピュータを使っての宅配も出てくるかも知れません。それならば良いですが、殺人事件等に使われたら大変なことになってしまいます。恐ろしいニュースだと思いました。
 もう1つは、アメリカのホーキンス博士が言ったことでもありますが、20年後には、知能ロボットが、人間の能力を超えて、このまま人間を生かしておいては、地球を滅ぼすと思ったら、知能ロボットが、人間を滅ぼすことも可能になるというのです。ロボットに登場してもらわなくても、世界のいたる所で、大虐殺・戦争がなりやみません。もはやSFではない、現実のこととなりうるというのです。40年前の映画で「猿の惑星」というのがありました。地球は間違いなく、滅びの方に向かっているのでしょうか。3Pといわれます。つまり、poverty、pollution、population(貧困、環境汚染、人口増加)が人類を滅ぼすともいうのです。世界では、70億人の人口ですが、3億人が1年間に餓死しているというのです。やがて100億になれば、食べ物を求めて人々は戦争へと突き進むのではないかと心配されます。
3 オリンピックについて
 暗い話ばかりでは困りますね。今年は、冬の「ソチオリンピック」がありました。羽生選手のフィギュアで見事な金メダル、ジャンプでは、42歳の葛西選手が、銀メダルを獲得し、日本を沸かせてくれました。特に、葛西選手は、98年の長野オリンピック以来、結果を出すことができず、辛くて苦しい人生が続きました。彼が行く会社は次々と倒産したり、スキージャンプが閉鎖されました。葛西さんは、数年前に、北海道の土屋工業を訪問して、雇用してもらうように頼みました。社長には、「あの僕だけではなくて、仲間たちと一緒に雇用してください。そして、必ず、土屋工業のゼッケンを付けて世界に土屋の名前を広めます」と、言ったそうです。その念願が今年花を咲かせました。ワールドカップでも、この冬金メダルでした。42歳でしょうか。マスコミでは「レジェンド」(伝説)と言っていますが、ジャイアンツの名誉監督・長嶋さんならば、「おー、これはミラクルですね」というのではないかと思います。サッカーの ワールドカップでは、マスコミがあまりにも大げさに報道したのか、1勝も上げられずに敗退でした。ザックジャパンも、ざっくりしてしまいましたね。
 一方、東京では、猪瀬知事が5千万円を借りたとかいう話から、辞任せざるを得なくなりました。変わって、舛添知事が誕生しました。2020年に、東京でオリンピックが行われることになりました。64年以来のことですから、嬉しいニュースというべきでしょう。あれから数えて56年後となります。私が健在ならば69歳です。日本人の5千万人になる高齢者が応援することになるのですけどね。どうなりますことやら…。
 ここで、60年から2020年までのオリンピックの会場を改めて紹介します。
 1960年 ローマオリンピック
 1964年 東京
 1968年 メキシコ
 1972年 ミュンヘン
 1976年 モントリオール
 1980年 モスクワ
 1984年 ロサンゼルス
 1988年 ソウル
 1992年 バルセロナ
 1996年 アトランタ
 2000年 シドニー
 2004年 アテネ
 2008年 北京
 2012年 ロンドン
 2016年 リオデジャネイロ
 2020年 東京
4 混沌となる日本社会
 メルシーとちのみでは、読書の紹介で、漂薄される社会という本を紹介しました。若者たちが、自分の居場所・存在意義を見失い、様々な社会問題となっていた年でした。「不確実な時代」と言われますが、これは来年以降、悪化するのではないかと心配しております。今年1年を通して、理由もなく、知らない人に殺人事件が沢山おきました。日本ばかりではありません。アメリカ・メキシコ・ベネズエラでは、数十人の人を殺害したというニュースもありました。16日には、パキスタンで、タリバンによって140人を超える高校生が殺害される痛ましい事件がおきました。私が最も心を痛めたニュースは、長崎県佐世保市で、17歳の高校生が、友人をバラバラに殺害したという、ショッキングなニュースでした。しかも、その二人は友人同士だったのだけれど、誰でも良いから殺したかったというのです。結末は、弁護士をしていた父親が自殺をしてしまったという悲劇です。名誉や財産があっても、幸せにはなれないということを、つくづくと痛感しています。その他、類似した事件が多発しました。
 コンビニから出て来た、22歳の女子学生、就職が決まっていたのに、見知らぬ男性から襲われて殺害されました。本人と家族の気持ちを思うと、いたたまれませんね。視覚障害者も、1人で歩いていて、大宮駅で蹴られた盲学校の女子生徒、ひとごととは思えません。私も、1日一瞬を、安心・安全を祈りつつ生きていかなければと自らに言い聞かせております。
 さて、今年も残すところ、11日となりました。私のメルシーとちのみも、次回をもって最終回となります。ここまでご一読くださいました、メル友・ホームページを開いて読んでくださる皆様、ありがとうございます。次回は、12月27日をもって「千秋楽」といたします。近年、経験のない師走の寒波です。お互いに、健康に留意してまいりましょう。それでは、また来週、「ごきげんよう、さようなら」



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