第35回 最近、気になるニュース




 こんにちは。お元気ですか?ついに9月になりました。今年も残り4ヶ月、毎年のことながら思い出となる時になれば良いなと願っております。
1 自動車あれこれ
 2020年に、日産自動車が、コンピュータで走る文字通りの「自動車」が走るようになることを公表しました。8月29日のニュースで、主にラジオで取り上げていました。そのコメンテイターの何人かが以下のようなことを言いました。
 「これからは高齢化社会ですから、高齢者も、自分で運転をしないで移動できるようにメーカーは開発を急いでいるのですね。自分で運転する人にとっては、車にお任せとは、なんともものたりませんね…。」と言った内容でした。そのニュースを聴いて、私は嬉しくなりました。その反面、マスメディアに携わる人たち、視覚障がい者の存在をお忘れのようですね。私たちの移動で一番困っているのは、自分が車の運転ができないということなのです。視覚障がい者に限らず、様々な障がいをもっている人には、車の運転ができない人も数多くいると思います。確かに、65歳を越える人が、3千万人を超えたとのニュースもあり、60歳から65歳までを入れると、4千万人となると思います。人口について補足しますと、今から約百年前の1920年の人口は、5500万人だったといいます。時代は繰り返しますから、30年後には、8千万人くらいになって、人口のバランスがとれるのではないかと思います。問題は、これからの30年間の医療・福祉・社会保障制度になるのです。私たち団塊の世代を含めての、4千万にとっては、「山あり、谷あり」の人生になります。
 話が脱線しました。視覚障がい者の皆様、コンピュータで走る自動車が、適当な値段で買えるとしたら、どうしますか?私は、是非買って、自分の行きたいところに行って見たいと思います。コンピュータが壊れたら?交通事故にあったらどうする?との声も聞こえそうです。交通事故は、優れたドライバーがどんなに上手に運転をしても避けられないことがあります。反対車線から飛び込まれたら、どうやっても事故を回避することはできません。天気の悪い日には、タクシーを利用することが非常に多い私の人生、その新しい「自動車」がどのようになるか、楽しみになって来ました。それにしても、ラジオのキャスター、視覚障がい者のことを頭の隅においていて欲しかったです。思わず電話をしようかと思いました。
 その自動車事故についてですが、最近、次のような話しを聴きました。これはタクシーのドライバーから聴いた話です。「今の時代は運転していても、危なくてしょうがないよ。特に若いあんちゃんは怖いね。」
 私、「どうしてですか?」
 運転手、「酷いのは、車の免許証もとっていなくて運転をしているよ。それから、強制的に入らなければならない、自賠責しか入っていないんだ。」
 私、「え!それはどういうことですか?対人対物無制限ではないのですか?」
 タクシーのドライバーの説明によると、強制自賠責とは、交通事故が起きた時の保障が120万円までだそうです。入院しても怪我をしてもそこまでしかでません。その後の治療は被害にあった本人が支払わなければならないということです。この不景気のあおりを受けて若者たちの多くは、この強制自賠責にしか入らない人が圧倒的に多いそうです。さらに加えて、自分だけは交通事故にあわないから大丈夫だよ、との自己過信があるのです。怖い話です。もらい事故で、入院しても120万円が出ればまだ良い、無免許で、友人の車を運転している人も多く、その人に交通事故を起こされたら、保障はされません。現に、私の知人が交通事故にあいました。その人は何と事故で亡くなりました。しかし、相手の運転手は、無免許で、父親の車を運転していたということです。息子は無免許ですから父親の保険は適応されませんでした。そのような事件も結構、起きているようです。タクシーに乗っていれば、命を亡くしても、怪我をしても、すべて保障されています。視覚障がい者の私たちは認識しておかないと大変なことになると思います。
 秋の交通安全週間も間近ではなかったかと思います。ここまで書いてきてコンピュータで走る車は魅力的だけど、車の購入費・車検・保険の費用を計算すると、やはりタクシーの方が経済的かな?と、思うようになりました。夢としては、一度は乗ってみたいです。
2 藤圭子さんを偲ぶ
 8月22日の朝のニュースをインターネットで知って驚きました。藤圭子さんが、22日の朝、13階のマンションから飛び降りて自死したとのことです。病で亡くなった時は、最近は自殺と言わない傾向があります。原因が心の病ですから、誰にでもあるかも知れません。
 藤圭子さんは、1951年7月5日に生まれました。私とは同年齢です。この51年頃に生まれた歌手には、八代亜紀さん(63歳)、小柳ルミ子さん(61歳)などがいます。藤圭子さんは、69年に18歳でデビューをしました。70年、「圭子の夢は夜開く」が大ヒットしました。同じ頃には、小柳ルミ子さんの「私の城下町」がヒットしました。この二人の女性はほぼ同じ年齢ですが、歌のイメージは全く違っていました。藤圭子さんの歌は、夜働く女性の歌を、切々と歌っていました。
 私は藤圭子さんの歌にはさほど興味をもっていませんでした。関心をもつようになったのは、それから数年後、日本点字図書館の月刊誌、「つのぶえ」で、圭子さんのお母さんがインタビューに出た時からでした。お母さんは、確か、生まれつきの視覚障がい者でした。そして浪曲師として苦労をしたと聞きました。圭子さんが幼い時は、母親の手を引いて、あちこちの料亭を回って日銭を稼いでいたといいます。しかし、「圭子の夢は夜開く」が大ヒットして、藤圭子さんは押しも押されもしない大スターとなり、前川清さんといったん結婚し、宇多田さんと再婚をしました。その母親のインタビューの中で、お母さんは娘・圭子さんを誉めていました。そして、圭子が皆さんのお陰で、ここまで来られたのですから、私たちもできるだけの協力をしましょう、と、話しており、日本点字図書館や養護施設などにも、ファンからいただいたものや寄付をしたと聞いていたのでした。
 宇多田ヒカルさんの、今回のコメント「私たちはここ10年余り、母親の苦しく辛い生活と共に苦しみました。今はその苦しみから解放されて、母はやっと安心できたのだと思います。しかし、最後のことは私には生涯の後悔になると思います。」でした。この宇多田さんのコメントが私には痛いほど分かりました。心に病をもつ人にとっては、どうにもならない、堅い壁に取り囲まれた状態なのだと思います。大学を卒業し、就職したばかりの青年たちが、ブラック企業という会社での不当な「選別と使い捨て」の二つに苦しめられて、何万人もの人たちが心の病にあえいでいます。なんとも残念で悲しいニュースでした。
 藤圭子さんのお母さんについて記憶している方は少ないかと思って今回書きました。
3 シリア内戦の行方はどうなる?
 2年前に起こったアサド政権に対する市民革命というべきものが起こりましたが、リビアのようには進展していません。それどころか、サリンのような猛毒が使われています。日本ではまだ確定していない、政権側か反政権か分からないとの報道です。
 私の見解は、これはアサド政権に違いないと思います。理由は政権を握っているのですから、以前からそのような化学毒ガスを作り、保管することが可能だからです。先日のアメリカの放送では、1429人が化学兵器(サリンガス)の犠牲となり、その中の千人が子供たちといわれています。さらに1万人におよぶ人たちが入院しています。主に、嘔吐と眩暈が主たる症状で、体が麻痺していると、病院の医師がインタビューに答えていました。アメリカの本音はシリアの内戦にはできれば関わりたくないのです。2003年のイラク戦争で、ジョージ・ブッシュ大統領は「イラクには大量兵器があるに違いない」との理由で戦争をしかけました。日本も小泉総理の時に自衛隊を派兵しました。しかしサダム・フセイン大統領を捕えても、大量兵器物は出てきませんでした。それから約10年間、タリバンの自爆テロにアメリカは苦しめられました。ですから、シリアの内戦についてもできれば関わりたくないのですが、2年余に渡る内戦、サリン等の猛毒ガスの使用については、アメリカ・イギリス・フランス等は、人権の立場から、見て見ないふりをするわけにはいかないということと思います。加えて、シリアとイランは友好国です。また、ロシアはシリアの港に軍港を持っている唯一の国ですから、大変複雑な状況になります。
 もし、アメリカがシリアを攻撃すると、イランがホルムズ海峡を封鎖し、イスラエルを攻撃すると思います。イランやシリアは、イスラエルという国の存在すら認めていないのです。ユダヤ教徒イスラム教は、旧約聖書以来のライバル国となっています。すでにイスラエルでは、予備兵を召集し始めていると聞いています。もしイランが、ホルムズ海峡を封鎖したら、原油の輸送がストップして、日本にも原油が来なくなります。イスラエルは、核兵器を作ろうとしているイランを攻撃するでしょう。まさに、シリア・イラン対イスラエルとの戦争が勃発しかねないと懸念されます。
 アメリカは元来イスラエルを支援しています。理由は、アメリカにおけるユダヤ人の影響が大変大きいからです。ニューヨークにはユダヤ教徒が多く、英語でユダヤ人をJewish(ジューイッシュ)といいますが、そこに言葉をかけて「ジューヨーク」と言う人もいると聞いています。もし、アメリカが反アサド政権を攻撃しなければ、イスラエルがイランを攻撃しかねないという、極めて厳しい世界情勢になりつつあると、私は心配しています。旧約聖書によると、イスラエルとイラン・イラク等のアラブ人は同じ祖先、アブラハムから分かれたといわれております。またイスラム教徒は、シーア派とスンニー派の二つが大きくありますが、元を正せば従兄弟同士であったというのです。シリアでの内戦について、オバマ大統領は、9月9日の議会の承認を得てから攻撃を開始すると言っています。9月8日の2020年オリンピックも気になりますが、この時こそ、日本の外交が平和のために働いて欲しいと願うばかりです。9.11の日も目の前です。
 今回は、私が気になるニュースを順不同に書かせていただきました。来週はお休みとさせていただき、次回は9月21日頃に36回を掲載したいと思います。暑さ寒さも彼岸までと言いますが、昔の人の知恵はすばらしいものです。
 



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