初志貫徹1月
皆様、新年のお喜びを申し上げます。2016年も早15日を迎えました。今年は、例年になく暖冬の様ですが、気象予報士の森田さんによると、6の付く年は、これまでは寒かったというのです。それに対して9の付く年は暖冬だったと言っています。今年については、12月が最高気温が10度以上になったのが19日もあり、極めてまれな年でした。1月の13日から今月、2月までは寒くなるといっています。はたしてどうなりますか?それでも、2月の4日になると、立春ですから、春が近づいたような気持ちになり、ワクワクしてきますね。
ところで、今年のテーマを「初志貫徹」としました。初心貫徹ではないか?と思っていましたが、インターネットで調べたところ、初志貫徹が正しいとわかりました。勘違いとは恐ろしいことです。
さて、今年は平成28年になりました。私などは、平成○○年と言われても、ピンと来ないのです。平成生まれの人たちには何の抵抗もないかと思います。しかし、昭和生まれの人たちにとっては、なかなかついて行けないのは、私だけでしょうか?西暦で話を聞いた方が良く分かります。他方、昭和の話になると、自分で経験しているので理解できます。NHKでは、平成何年と言いますが、民放では、多くの場合2016年のように使っております。
1 最近のニュースから
昨年の暮れに、安倍内閣は、突然、韓国の慰安婦問題について、謝罪と賠償の話を始めました。そして、韓国の慰安婦をしいられた人たちに、10億円を支払うことにして、以後問題にしないということを、両政府間で合意に達したというニュースが入りました。安倍総理は、以前から、日本がアジア諸国を侵略したこと、中国や韓国を侵略したことについて、国会答弁では、「それは歴史家が判断することであります。資料としては、そのような証拠は全くありません。」と、幾度となく言っておりました。
しかし、この発言を白紙撤回したことになります。これは、いったいどうしたことなのでしょうか?私の聞くことによる結論では、1月早々、北朝鮮では核実験をしました。この情報を、アメリカはかなり前から知っており、オバマ大統領は、日本・韓国にリークして、特に日本には、一大事件が起きたときへの対応を考えて、日韓で連携協力をするように支持したと聞いております。なるほど!これなら分かります。日本と韓国が、この3年間、喧嘩ばかりしていては、アメリカにとっても困るのです。そこへ来て、サウジアラビアとイランが一触即発の状態になっております。アメリカとしては、中東の安定をしなければならないので、北朝鮮の問題は、韓国・中国・日本に任せたいというところかと思います。
他方、アメリカは、このようなことを強調することによって、戦争から守るためには、日本の安保法案が必要なことを後ろから応援しているのではないかと思います。国民の不安をかきたて、だから安保法案が必要なのだ!と、マスメディアを通して刷り込んでいるのではないかと私は思います。戦争をやっても、平和を作ることはもはやできません。如何にして、平和を作り出すことこそが、安全・安心の生活を作り出すことができるのだと信じます。第2次世界大戦、そしてこの20年におよぶ戦争の有様を見れば分かるはずなのですが、人間の罪の重さ深さを思わずにはいられません。
2 私の読書日記
さて、新年になって、皆様はどのようにすごされましたか?私は、いつものように、元旦と三日は教会の礼拝に出席しました。同窓会への原稿が一月に一度になりましたので、時間が比較的多くなり、それだけ読書を楽しむ時間が多くなりました。この一ヶ月、10冊程度の本を読みました。その中で、私が最も楽しむことができたのは、源氏鶏太さんの本でした。1950年代・60年代の話です。当時、最も人気の出た本は「三等重役」でした。今回、読んだ本の中では、「定年退職」と「歌なき歌」という2冊が心に残りました。「定年退職」は、当時55歳になる課長が、退職を目の前にして、退職後どうするかという大変深刻な話でした。民間企業で経験のない私にとりまして、企業で働くサラリーマンの気持ちが良く分かりました。話は、今から40年前に書かれた本ですが、現在でも、共通の課題になっています。最近の定年退職は60歳になっていますが、20年前頃までは55歳で退職し、その後は嘱託になっていたようです。
「歌なき歌」とは、会社内での派閥争いと、企業間の激しい争い、倒産に伴う吸収・合併の話で、これは40年前も今日も変わらぬ課題となっています。人間の悲哀を感じました。しかし、源氏鶏太さんの本は、ユーモアがあり、ハッピーエンドなので、水戸黄門ではありませんが、安心して読書を楽しむことができます。本屋さんでは手に入らないと思いますので、関心のある方は、公共図書館から借りてお読みいただけるかと思います。合わせて、男女間の恋愛も、穏やかで楽しく読むことができました。
この2冊の本の中で、私の興味を引いたのは、もうひとつありました。それは、50年・40年前のサラリーマン生活の状況です。特に、物価や給料の話が、良く分かりました。60年代の高校卒業の人たちの初任給は、8千円前後でした。大学卒業の人は、1万円前後でした。70年前半では、それが2万円から2万5千円程度でした。「もしも月給が上がったら」という、歌謡曲もありました。74年の物価高騰、福田赳夫総理は、それを「狂乱物価」と言いました。80年代のバブルによって、今日の給料になっているかと思います。原油も、上がり下がりを、時代と共に繰り返しています。昨年の今頃は、ガソリンが、リッター160円でしたが、最近は不況嵐のために、リッター110円になろうとしています。20年前には、リッター90円の時もありました。まさに、景気の気は、気持ちの気だと2年前のエッセイで書きましたが、20年前に逆戻りしているのではないでしょうか?
3 1月になって思い出すこと
1月の声を聞くと、15日が成人の日でした。今年の成人を迎える人が121万人と聞きました。45年前は、250万人だったのです。まさに、時代の流れですね。ついでに、昨年生まれた子どもの数は、101万人でした。少子高齢と言われますが、江戸時代の人工は3千万人、明治・大正時代でも5千万人程度と聞きます。ですから、バランスのとれた人口ならば、社会制度も安定すると思うのです。
1月17日、阪神淡路大震災から21年になります。5年前の3月11日の大地震のことが話題になります。しかし、21年前の阪神淡路大震災でも、6430人におよぶ尊い命が奪われたことを忘れてはなりません。文芸春秋の12月号には、2016年に、関東大震災が予告されているのです。単なるデマとばかり言えない気がします。5年以内に起こる確率が60パーセントというのです。
1月19日。25年前の91年1月19日。私は、栃木国立病院に検査のために入院しました。2週間の入院生活でしたが、貴重な体験でした。我が人生旅日記でも書きました。その入院の朝は土曜日でした。アメリカがイラクを空爆したのでした。前年、クウェートを侵略したイラクへの先戦布告でした。この日がやって来ると必ず思い出します。あれから25年、末梢神経を中心とする難病に罹りましたが、致命的にいたらず、「定年退職」まで守られました。何と幸いなことか!神様に守られているという実感を日々感じています。
去年は、後藤健二さんたち、二人の日本人が、ISによって殺害されました。ヨルダンの兵士は火あぶりになり、日本人も恐怖心におそわれました。昨年末には、安田さんが、ISによって拘束されたというニュースが、国境なき記者団から発表されましたが、いつのまにか消えました。バングラデシュでは、日本人がISによって、二人殺害されました。しかし、マスコミは、極一部を除いて報道しません。「1人の命は、地球より重い」と、かつてはよくいわれたものです。今では、ニュートリノよりも軽くなってしまったのでしょうか?
このようなことを書いている私、今年65歳になりますが、おじいちゃんになるのでしょうか?例えそうであっても、心は若々しく今年も生きたいものです。
初志貫徹、人生「1日1生」(いちじついっしょう)を、今年も座右の銘としたいと思います。ではまた来月。お互いに元気で生きましょう。
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