初志貫徹2月





  皆様、こんにちは。もう2月になりました。インフルエンザが猛威をふるい始めましたが、お元気ですか?前回、気象予報士の森田さんが、「今年は6の付く年ですから、1月から2月にかけて寒くなりますよ。」と予告していました。それが大当たりの様です。昨年も寒い時もありましたが、寒暖の差があったので、暖かい日が時々あり、ほっとしました。今年は、1月13日から一月間、本当に寒い日が続いています。しかし、「冬きたりなば、春遠からじ」です。立春を過ぎ、外出すると、日差しの暖かさを感じて、春よ来い、早く来いという、懐かしい童謡を思い出します。
 この一月を思い起こしますと、1月15日に起きた、軽井沢でのバス転落事故により、スキーを楽しみにして出かけた、若者たちの15人が命を亡くしたニュースは、本当に心が痛みます。10年程前にも、ダムにバスが転落して、同様の悲劇も起きました。今春大学を卒業し、就職も決まっていた人もいます。本人はいうまでも無く、親・兄弟の皆さんにとっては、立ち上がることができない程のショックと思います。
 そのニュースとは直接関係はありませんが、2月に入って、yahooのニュースを読んでいたら、次のようなニュースに出会いました。
 東北学院の4年生が、卒論のテーマとして、百人のタクシードライバーにアンケートをとりました。「幽霊がタクシー乗る」との話でした。タクシードライバーの7人が、経験があるというのです。
 一例を書きますと、1人の若い女性が手を挙げます。運転手が、ドアを開けると、「南浜までお願いします」と言うのです。ドライバーが「あそこは今では住んでいる人がほとんどいませんよ。」というと、女性は、良いのですと言います。言われるままにタクシーを走らせて、南浜に到着し、「お客さん、着きましたよ。」と言って振り返ると、女性の姿はありませんでした。
 ある時などは、後部座席に乗っていた女性が「私は今死んでいるのでしょうか?」と言われたこともあるとありました。5年前の3月11日、突然襲いかかった津波で、今田行方不明の人たちが数千人います。彼らの魂はまださまよっているのではないか?と、記事にはありました。
 百人のタクシードライバーの多くが、説明しても信じてもらえないだろう、というような経験をしているのではないかと思います。そのような時は、タクシードライバーが自己負担をしなければならないと書いてありました。
 このように書いている私も、2回不思議な体験をしました。1回目は、24歳の時ですから、41年前の12月のこと、大学の冬休み、実家に帰って寝ていました。私の部屋は1階で、電話に近い所でした。朝の5時半頃だったと思います。玄関で、ピンポンとチャイムの音がしました。不思議だなあ!こんな朝早くと思いましたが、気の性だろうと思って、そのまま布団の中にいました。
 そして、まもなく、我が家の電話のベルが鳴りました。私は普段電話には出ませんので、兄を「電話だよ」と呼びました。兄が電話に出ると、長い間病のために入院していた、兄の連れ合いが亡くなったとの連絡でした。あのピンポンという、呼び鈴は、義理の姉が知らせててくれたのかな?と、思わずにはいられません。
 もう1回は、4年前の11月19日・20日月曜日の午後でした。我が家の息子が、35日間の入院の後、11月18日に、肝硬変で召天しました。その夜、息子を我が家に連れてかえりました。そして、翌日、私と妻の家族が茶の間に集まっていました。夕方になり、笛のような音が聞こえてきました。「あれはなんだろう。笛の音だね。」と、私がいいました。それを聞いたのは、妻と娘の3人だけで、他の人たちには聞こえなかったというのです。それは、息子から私たちへのメッセージではないかと思っています。
 息子は、2001年から12年間、心の病で苦しみました。私たちも共に苦しみを分かち合いました。そんなある日、彼はこんなことを私にいったのです。「俺がもし死んだらどうなのだろうか?天国って本当に親父あるのか?」と、問いかけました。私は「信じていれば必ずあるよ」と答えました。すると彼は、「そうか、もし俺が早く死んだら、親父たちに天国があるかどうか教えてやるよ。」と言っていたのでした。突然の事故や、自爆テロで命を亡くしていく人たち。安らかな天国があることを私は信じています。みなさんは如何でしょうか?
2 今月の私の読書ノート
1.立松和平著「閉じる家」
 栃木県出身の立松さんが、亡くなって7年になります。沢山の本が、視覚障害者のための音声図書「デイジー図書」になっていますが、この本はデイジー化されていなかったので、昨年リクエストして、1月にもう一度聞きました。この本は、立松さんの曽祖父が、足尾銅山に住んでいたことから、40年程前に閉山された、足尾町をテーマに書かれた本です。百年続いた足尾銅山、そこに住んでいた人たちの悲喜劇が書かれています。私には、福島の原発と重なり合ってしまいます。産業・利益中心のあとには、必ず衰退がやって来るのだと痛感しています。「栄枯盛衰」の世の中なのです。
 原発に関しては、文芸春秋の1月号で、元総理の小泉純一郎さんが、「原発は0が良い!安い・綺麗・安心だというのが、まるっきりの嘘だと分かったからだ!総理大臣が決めれば、今すぐに原発を止めることができる。」と、熱く語っていました。まさに、決断と実行あるのみと思いました。
2.小池真理子著「モンローが死んだ日」
 これは、推理小説、文学小説がミックスされた本です。昨年出版されました。病で夫を亡くした女性、喪失感から来る、孤独と欝で苦しみます。たまらず訪れた精神科の病院で、1人の医師との間に愛が生まれます。話は思わぬ方向に発展していきます。推理小説なので、詳しくは書けませんが、人間の心の問題、心の病に苦しむ人たちの生き様が良く分かり、とても感激しました。
3.喜多條忠著「女房逃ゲレバ猫マデモ」
 この本は、2008年に書かれた本です。著者の実体験を下に書かれた本です。かぐや姫の歌でヒットした、神田川・赤ちょうちん・妹、その他、キャンディーズのヒット曲を出しています。作詞家としての苦労話が詳細に書かれています。やはり経験をしないと、心の琴線に触れる作品を書けないことが良くわかりました。早稲田大学時代の経験から、かぐや姫のヒット曲が生まれたことも知りました。三畳一間に暮らし、ガールフレンドと愛し合い、分かれた悲しいことが、歌になったのです。赤ちょうちんの一節に「生きてることはただそれだけで、悲しいことだと知りました」という歌詞があります。喜多條さんの正直な気持ちを歌にした。それが私たちの心に染み入ることなのだと改めて知りました。
 そういえば、私が良く話題にしている作家、村上春樹、立松和平、そして喜多條忠さんの3人とも、早稲田大学出身、年齢も同じことに気づきました。私は、それから2年、4年後に生まれましたので、当時の大学紛争や世相がとても良く理解でき、懐かしさでいっぱいになります。
 最後に今月のニュースに一言。清原和博さんの覚醒剤所持のニュースに、マスコミは、はまりすぎていませんか?あまり経産省大臣の辞任の上書きという訳か、どうして、こんなに騒ぐのでしょうか?NHKまでが、悪乗りしていませんか?NHKのアナウンサーが、覚醒剤を所持して逮捕された時に、NHKはどれだけニュースにしましたか?会長がお詫びをしたようですが、トップニュースでは、一度も出ませんでした。いいえ、私はラジオのニュースでは一度も謝罪を聞きませんでした。清原さんも?NHKのアナウンサーも同罪なのですが。これで「公平中立」と言えるのでしょうか?疑いを禁じえません。
 政治のスキャンダルを、特に、テレビでは、ベッキー、スマップ、清原で隠していませんか?私は、ニュースを聞く時、最近は、私ならばどういう順序にニュースを選ぶかを考えています。アベノミクスは、結局、衰退・崩壊しているのではありませんか?ニュースからも遠のいて行きつつあります。銀行の利子まで、マイナスとは情けなや!10万円1年間定期預金にすると、その利子が10円、1千万おいても、80円の利子と、神戸大学教授・内橋先生から聞きましたが、景気が良くなるわけがありませんね。もらったはずの退職金もあれよ、あれよと目減りして、下流老人になってしまいます。「もらえるやつは羨ましいよう」との声が聞こえてきます。まさにその通りです。やぶへびでした。
 さて、いよいよ3月になると卒業の季節です。それでは、3月の15日頃に、次号を発行したいと思います。 
 それではまたよろしくお願いします。 






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