初志貫徹11月号
「今年のニュースから」


 
 皆様、お元気でいらっしゃいますか?7日より、立冬に入りました。北海道では、23cmの積雪と聞いております。季節は、間違いなく冬に向かっています。盛岡に住んでいる友人の船山さんからは、毎朝メールを受け取っております。白鳥が南に向かって群れをなしています。鶴がやはり南に向かっていますとの情報を聞くと、大変嬉しくなります。私には見えないこと、しかも、ラジオではなく、友人からのレポートは特に嬉しいものです。
 さて、今回は今年のニュースから三つを取り上げて振り返りたいと思います。
1 熊本・鳥取地震
 4月14日と16日には、震度7の大地震が起きました。地震で亡くなった人は、当初49人でしたが、行方不明の学生が、橋の袂で、車の中から発見されて50人となりました。しかし、関連死を含めると、110人に達しました。
 特に、東海大学の農学部の学生たちが、アパートの崩落の中で、9人の若い命が亡くなったといいます。本当に悲しいニュースでした。学生たちは、村の人たちと農業に意欲的に取り組んでいました。200人の学生たちが、地元の人たちと協力しての農業生活に励んでいました。今後は、続けていけないかも知れないとのこと、本当に残念なことです。約2千所帯が破壊されました。当時は、10万人が避難しました。最近は、あまりニュースになりませんが、その後のことも知りたいと思います。
 そして、4月16日には、南米・エクアドルでも地震が起きて、600人が亡くなったと報道されました。イタリアでも、大地震が夏と秋にありました。村全体が消えてなくなるほどと聞いております。
 鳥取では、10月21日、震度6強の地震がありました。死者は幸い僅かでしたが、これまた不安を感じないわけにはいきませんでした。日本には、2千箇所の活断層があります。それがないところでも、地震が何時おきるか予測がつかないと言います。私たちも、他人事ではすまないことと受け止めて、災害にそなえなければと思わされる年でした。
2 命の尊さが失われている
 7月27日、神奈川県相模原市にある、津久井やまゆり園では、19人が殺害され、30人が重症を負いました。役に立たないものは、生きていても仕方ない、死んだ方が良いとの容疑者の発言。しかも、彼はそこで働いていました。何と恐ろしいことか!老人ホームでは、ストレスがあったから・・・といって、3人の老人がマンションのベランダから突き落とされました。
 1月15日、長野県軽井沢では、スキーに行こうとした若者たち、大学生がメインでしたが、バスの運転手を含めて、15人が亡くなりました。労動基準法違反による過労が原因でした。
 神奈川県大口病院では、何者かによって、点滴の中に、化学薬品が注入されて、3人が亡くなりました。他にもいるのではないかと言われています。未だに容疑者が逮捕されていないのです。
 今年の厚生労働省の発表によると、過去5年間で百万人の人口が減少しました。私の推測によると、その中で、10万人が自殺したと思われます。原因は、精神的病、介護の疲れ、貧困等と思われます。百万人です。人口減少は、以前から分かっていましたが、このニュースを聞くと、これからも継続されると思います。栃木県の人口が、195万人、その半分の人たちがいなくなると考えると暗澹たる気持ちになります。
 平均寿命が、医学の発達、食生活の向上によって、著しく伸びたことは、歓迎されることでしょう。しかし、反面、相模原での事件のように、命の尊さ、人権尊重という言葉が、空疎になってはいないでしょうか?
 最悪なのは、日本政府です。国連では、123カ国の核兵器廃絶の提案に対して、日本は、アメリカ、イギリス、フランスなどと共に反対票を投じました。中国は棄権をしました。いくらアメリカの核の傘とはいえ、日本の主権を失っていないでしょうか?広島・長崎に原爆が投下され、オバマ大統領が広島を訪問しました。安倍総理も、平和のために全力を挙げるとのメッセージ。これでは、単なるお題目にすぎません。本来ならば、先頭をきって核の廃絶を提案すべきでないでしょうか?
 フィリピンの大統領・ドゥテルテさんが、フィリピンは、アメリカの鎖に繋がれた犬ではない、とのすごい発言をしましたね。日本でも作家、かつて長野県知事になった、田中康夫さんは、「日本政府は、アメリカのポチではないよ。はっきりアメリカに意思を言わないと、言われるがままになっているよ。」と、言いました。沖縄の基地のこと、オスプレイのこと、集団的自衛権、自らの判断と決定によるものとは、私には思えません。
 TPPにしても、アメリカでは反対しているのに、日本政府は、国民の反対を押し切って、まさに、強行採決で決めようとしています。
 繰り返します。命の尊さは、日本政府そのものがおろそかにしているのではないでしょうか?
 そして、決定的なのは、今年芥川賞になった、村田沙耶香さんの「コンビに人間」の中で、仕事を失った青年の言葉にあるかと思います。「この世の中は、使いものにならないものは、異物以外の何者でもない。使えなければおしまいだ。」何と恐ろしい言葉かと思いました。しかし、それは、日本社会に密かに、しかし着実に支配しているように感じます。
 非正規社員が、ついに40%を超えました。電通では、24歳の女性が過労のために自殺をしました。このシステムは欧米にならったものです。ですから、欧米の映画や小説では、「君は明日から会社に来なくても良い。解雇だ。」というような言葉が、なんの違和感もなく表現されているのです(チャールズ・ディケンズ「クリスマス・キャロル」の中に、スクルージの言葉にあります)
 命の尊さを考える時に、お互いの存在を認め合う気持ちを大切にしていきたいと願ってやみません。関根一夫牧師が提唱している言葉「いてくれてありがとう」は、お互いの存在を認め、感謝する心と思います。家庭、学校、職場でその心が広がるようにと祈ります。
3 知事選挙について
 今年は、いくつかの知事選挙が行われました。特に、私が関心をもったのは、鹿児島県、新潟県、そして東京でした。  
 鹿児島県、新潟県ではいずれも、自民党、公明党の支持する知事候補が敗れました。新潟県では、泉田知事が4選はしないという理由で、出馬をしませんでした。その結果、自民・公明の支持する候補者と、共産・社民党の推薦する候補が戦うことになりました。民進党は原発についての賛否が問われる選挙の労連に気をくばり、自主票となりました。
 結果は、当初の予想とは違っての大逆転、鹿児島・新潟では、原発反対、ストップをかかげる知事が、圧倒的な票数で勝ちました。原発をやめて、自然エネルギーによる、生活重視の民意と思います。
 私の考えですが、台湾でも、脱原発を決定したこと、元総理の小泉純一郎さんが、フィンランドに行ってから、原発は、ただちにストップといい始めてから、国民の気持ちも変わってきたのではないかと思います。
 福島での原発事故のことも、未だわかりません。復興・復旧といっても、何十年かかるかわかりませんし、その負担も10兆円を遥かに超えると聞いていますし、その負担を、国民の税金に加えようとしているのです。そのようなことが、再び、何時起きるかわからないのです。このことについては、私たちの生命と生活にかかわりがあるので、国民の意識も相当変りつつあると思います。民進党が、いくら労働組合の支持を受けているといっても、組合のための党では、国民の支持を受けません。
 そこへ登場したのが、小池百合子さんでした。オリンピックの問題、築地から豊洲への移転の問題、これまでは、ブラックボックスの中に隠しておいた問題を、ひとつひとつ明らかにしています。前回書いたように、責任問題をはっきりさせて、退職者も含め、8人の関係者を処分しました。石原前都知事も聞いていない、記憶にない、わからない、忘れたでは道理が通りません。豊洲だって、科学技術の力があれば、有害物質も何とかなるはずだ!と、言ったとあります。移転に関して、858億円がすでに支出されているのです。東京は、スウェーデンの国家予算に匹敵する、5兆円だそうです。
 石原さんにも、賠償金の請求をしてはどうでしょうか?都知事選挙の時に、小池さんを「厚化粧の女」と、揶揄したではありませんか?息子・伸晃さんの足を、父親が引っ張ったのです。
 今回は、今年1年を振り返ってのニュースを書きました。皆様にとって、最も印象的なニュースはなんでしょうか?
 今年も間もなく終わりですね。もずの声が聞こえてこないかと注意しています。あの声を聞くと、ああ、冬だなあと私は感じるのです。視力の代わりに聴覚によって、季節の変化を楽しみます。
 次回は、いよいよ最終回です。12月15日を目標にテーマを考えます。
 11月25日に、インフルエンザの予防接種に行って来ます。高齢者の仲間に入り、1500円で受けられます。感謝です。お互いに健康に気をつけて年末を迎えましょう。
 


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