2015年7月後半
皆様、こんにちは。7月11日からの5日間、突然猛暑がやってきました。そして続いての台風です。もう梅雨は、11日から明けているのではないかと思いますが、気象庁は、読み誤ったのではないでしょうか?19日、梅雨明けの発表がありましたが、これは遅刻ではないかと思いました。
7月16日、衆議院では、集団的自衛権に関する11本の法律が、強行採決されました。内閣の不支持率が、支持率を上回りました。80%の国民が説明不足というのです。政府は複雑にして、難しくして、法律を作りました。4月に、アメリカとのガイドラインを結び、5月には、オバマ大統領と、7月までに、安保法案を通すとの約束をしてしまいました。
日本のいたる所で、若者たちが、戦争法反対と声を上げました。安倍総理が、平和という言葉を使えば使うほど、その反意語「戦争」と置き換えられて、わたしたちの心に残るのです。「法案が通れば、国民は忘れるよ」との呟きが、自民党から出ていますが、70年間守られた平和、私たちはそう簡単には忘れる訳にはいきません。若者たち、子どもを持つお母さんたちが、一斉に立ち上がったと感じています。国会議員のほとんどが、戦争を体験していません。本当の恐ろしさを知らないのだと思います。
これからの戦争は、drawn(コンピュータ操作による飛行機)による戦いになることでしょう。また、ミサイルを原発目掛けて飛ばせば、勝負は決まりだと、2011年3月11日の東日本大震災が教えてくれました。
もし、今回の法案が最終的に可決されたら、自衛隊員と政府で、再契約をしなければならないと、元自衛官が新聞紙上で語っております。つまり、戦地に出かけて行って戦うこと、そして命を亡くした時の保障について、遺族への保障について、法的な保障がなければ、自衛隊の人たちは、安心して戦う訳にはいきません。自衛隊をやめる人たちも増えるのではないかと思います。
先日、海上自衛隊の自衛官が、仕事に出かける時に、妻が見送りをしなかったということから、発作的に家に放火して、4人の子供が亡くなるという事件が起きました。結婚をしたパートナーも、自衛官だったと聞いております。私は、このニュースを聞いて、自衛隊にいる人たちのストレスが、想像を絶するほどの重さで、のしかかっているのではないかと思わずにはいられませんでした。政府は、自衛隊の人たちの意見をどれだけ聞いているでしょうか?国益・党利の元に、一方的に政治を進める、総理の思い込みによって、進めているとしか考えられないのです。
自衛隊の中では、密かに、遺書を書き始めているというのです。全く恐ろしいことです。その選択は、今や私たち主権を持つ国民に戻されているのではないでしょうか?戦前、戦争中の本をもう一度読み直すことが必要と思います。何百冊、何千冊とあるはずです。
また、安倍総理が、ウクライナを訪問した時に、2千億円の援助を約束しました。ニュースではほとんど取り上げられておりません。ギリシャのユーロへの返済額が2200億円でしたね。まずはギリシャを助けてやれば、日本の外交、政治がどれほど高く評価されたのではないかと思いました。これこそ平和外交ではないでしょうか?
ところで、今回読んだ2冊の本ですが、一月に一度、私が通院している、内科の先生から紹介された本です。最近、私とドクターは、読書の話をします。私が、村上春樹の本「ノルウェーの森」についての感想、「あの本には深い意味があると思いました。森は、死の世界を象徴していることを感じています。」などといいますと、先生は、「阿久津さんは、そのように読み取るのですね。いやあ、私はそんなふうに感じたことはなかったなあ!もう一度読み直してみるかなあ…」等の、楽しい会話をしています。そして、今回は先生からのお勧めの本がありましたので、早速読むことにしました。
1 松本清張著、「球形の荒野」
この作品は、R新聞社に勤める、添田彰一と、ガールフレンド・久美子を中心にした、推理小説です。時は1961年です。戦後16年が過ぎていました。しかし、その傷跡は癒されてはいませんでした。添田は、新聞記事の中から、死んだとされている、久美子の父親に対して疑問をもち始めます。
第2次世界大戦の時、久美子の父親は外務省に勤務し、中立国・スイスにいました。しかし、病死したと伝えられていますが、ある時、奈良にあるお寺の筆跡を見て、疑問をもち始めます。戦争中におきたこと、1人の男が、日本の戦争を1日も早く終わらせるために、自分を犠牲にしたという、モチーフですが、戦後16年が過ぎてから、次々と事件が起きていきます。新聞記者・添田は、粘り強く、その事件を調べ上げていきます。戦争中の、外務省を中心に、軍部が、どのように動いていたか?単なる、推理小説とは思えない、社会の厳しい現実、そのような人もいたのではないかと思わずにはいられない、感動的な小説でした。平和を作り出すことが、いかに大切か?また大変なことかを痛感しました。
そのような人が実際にいたのではないかと思わされました。そういえば、杉原さんという人が、大使館に勤務していましたが、沢山のユダヤ人を助け、後にイスラエルから感謝されたという話がありました。国内では、非国民・売国奴と揶揄されました。しかし、平和を作り出し、ユダヤ人を命がけで、夜通しでビザを書き続け、何万にも助けました。
戦後70年のこんにち、皆様にもお勧めしたい1冊です。この本には、浅間山の秋の紅葉と、京都のお寺や有名な所の情景描写が克明に描かれております。特に、京都は私の好きな所で、5・6回行ったことがあり、とても懐かしく思い出すことができました。
2 宮部みゆき著「火車」(かしゃ)
これは、宇都宮から東京に出てOLとして働いていた、彰子が失踪してしまいます。そして、彰子の名前を名乗る別人が出てくるのです。どうしてそんなことになるのか?火車とは、クレジットカード、パソコンからの借り入れによって、自己破産に追い込まれてしまう、若者たちの現実をテーマにしたミステリーです。
著者が弁護士から知りえた知識をふんだんに使っての小説です。以前はサラリーマン金融でしたが、最近は、パソコンを使い、保証人もいなくても、300万円まで借りることができるそうです。ところが、そこには大きな落とし穴があります。200万円借りた人が、あっと言う間に、3千万円の借金になるという恐ろしい事実があります。つまり、銀行と連携しての高い利子が生まれて来ます。かつては、25%、30%の利子が付きました。現在の法律では、最高限度額が19%となっているそうですが、手軽に借りると大変な悲劇を生み出します。
最近のコマーシャルでは、弁護士会が、過払い金請求のことで、盛んにラジオやテレビで、放送しています。クレジットカードを使うと、いつの間にか、多額の買い物をしてしまうとのことです。カードの恐ろしさを痛感する本でした。
さて、21日から多くの学校では、夏休みに入ります。高校3年生の我が家の娘、ワープロ部では、県大会で団体優勝をしました。22日から3日間、合宿をして、31日から8月1日にかけて、全国大会へ出場します。高校生の最後の大会、ベストをつくして欲しいと応援しています。それが終わると、就職活動が待っています。「道は開かれている」、「意思ある所に道がある」と励ましています。甲子園の高校野球も、8月6日から始まります。楽しみにしています。
ホームページを利用して、暑中お見舞いを申し上げます。8月8日の、立秋まで、夏は短いものです。
「手を繋ぎ 昔ラブラブ いま 介護」(シルバー川柳より)
高齢になっても、夫婦仲良く過ごしたいものです。次回は、8月15日を目標にしています。Good luck!
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