2015年8月後半





 皆様、残暑お見舞い申し上げます。今年も早いもので、1年の後半に入ろうとしています。例年にない猛暑が続きました。高校野球も二十日に終了しました。東海大学付属相模高校が、45年ぶりに優勝しましたね。東北では準優勝が11回ありましたが、優勝旗はまだ手にしていないことは残念なことですが、いつの日か必ずや叶うことと思います。
 さて、今回は私の読書について書きたいと思います。現在、私は主として3種類の読書をしています。
1 対面朗読による楽しみ
 3年前からひと月に2回、宇都宮市社会福祉協議会にある、ボランティアセンターに希望して、音訳ボランティアによる対面朗読を楽しんでいます。1回90分、お世話になっていますが「継続は力なり」といいますか、これまでに以下のような本を読んでいただきました。佐野洋子著、エッセイ「がんばりません」、阿川佐和子著、エッセイ「サワコの和」、藤沢周平著、「橋ものがたり」、乙川優三郎著、「トワイライト・シャッフル」の4冊です。1回、50ページ程度読んでいただきますが、エッセイや短編集なので、各回ごとに内容を楽しむことができます。それに朗読者がそのつど交代するので、それぞれ感想などについて楽しくおしゃべりをすることができます。
 前にも書きましたが、家からバスに乗って往復するので、歩くというリハビリにもなります。これも同行援護(ガイドヘルパー)の恩恵によるものです。自立支援法が制定され、足の不自由な私にとりましては、大変ありがたいことです。
2 点訳ボランティアによる点字の校正と読書
 退職して4年目になります。こちらもボランティアセンターからの依頼によって、点訳ボランティアグループに加えていただき、3年目になります。パソコン点訳されたものを校正し、対面校正をしながら今まで読むことのなかった本との出会いを楽しんでおります。
 対面校正後は、栃木県立盲学校に送り図書館担当の先生にダブルチェックをしていただきます。今まで何十年も点字に触れているのですが、マス空けについて関心をもっていました。しかし、それでもチェックミスはなかなかなくならないものです。点字表記辞典で確認をしながら勉強を繰り返しています。
 これまで、短編20篇を読むことができました。特に安房直子さんの物語は心を豊かにしてくれます。以前から語りべの川島昭恵さんから紹介していただいたり、実際に川島さんの語りを何回か聞くチャンスがありました。そして、このように点字を通して読書をすると、新たな感動を受けます。さらに最近は、戦争中の本にも出会うことができました。
 「じろはったん」という話は、知的障害をもちながらも戦争中、ひたむきに生きた青年と子どもたちの心温まる話です。また長崎源之助著「あほうの星」は戦争中、外地で愚直に生きた若者たちの生き方に胸を打たれました。みんな、真実に精一杯生きて死んでいきました。平和の尊さを感じないではいられません。点字の本を読むと、作中の人物と向き合っているような感じがします。
3 デイジー図書による読書
 デイジーとは、Digital audio infomation systemの略称です。1枚のCDに、30時間・40時間と録音が可能です。かつては、カセットテープに録音されていました。例えば、原本200ページの本を録音すると、90分テープで6巻から7巻になりますが、デイジーになると、1枚のCDになんなく録音されます。村上春樹著「ノルウェーの森」、350ページも1枚に収まりますので、一気に読書を楽しむことができます。夢中になると、寝不足になるのも危険ですが、これまた楽しい読書です。興奮するとなかなか眠れなくなってしまいます。
 私の場合は時間を決めて、午前1時には読書を止めるように自己規制しています。このようにして、最近は読書も様々な方法が私たちにはあります。
 さて、今月読んだ本の紹介をいたします。
1 立松和平著、「白い河 風聞・田中正造」
 これは、1900年から数年を中心に、田中正造さんの人生をかけて、足尾鉱毒事件に心血を注いだ戦いの話です。彼が明治天皇に直訴したことは社会科の本にもほんの僅か書かれていますが、どうして彼が、そうせざるを得なかったかと言うことには教科書では全く触れていません。鉱毒事件が農民たちを苦しめ、多くの人たちの命を奪ったか?そして若者たちが政府に向かって声を上げても、政府は無視し続けたことに、渡良瀬川流域の人たちが非暴力で立ち上がりました。それに政府は、警察の権力によって押さえつけたのです。
 私は、栃木県に生まれながらこの事件に対して、一部の知識はありましたが、昨年まで無関心であったことに深く反省をいたしました。
2 立松和平著、「軍曹かく戦わず」
 1944年(昭和19年)、小松軍曹の中国における実体験を元に書かれた本です。戦争にまつわる話は数多くあります。この本は立松さんが、小松軍曹の記録を元に2005年に書き下ろした本です。小松さんは、通信兵として中国の奥地まで長く、果てしない戦いに参戦しました。戦うよりも空腹との戦いがいかに辛いのか。戦争とは、争うことよりも食べて心の安心がなければ何もならないことです。
 この本を読んで、中国の人たちが家を取られ、せっかく育てた稲や野菜、全てを日本の軍隊に取り上げられてしまいます。さらに、非道なことによって殺害されていく話が詳細に書かれています。そんな中で、小松軍曹がどのように生きたのか?分かりやすく、感動的に書かれております。立松さんが、丁寧に調査しての小説です。まだの方には是非読んでいただきたいと思いました。
 今月は、大阪の寝屋川市で、中学1年生の女の子と男の子が殺害されるという、実に悲しいニュースを聞きました。千葉県では、16歳の女子高生が電車に飛び込んで亡くなるというニュースを聞いて心を痛めています。宇都宮では、16歳の女子高生がバイトをして、帰宅する時に後ろから襲われて大怪我をしました。6千円の入ったバッグを奪われました。このような事件は、数限りなく起きています。私たち障害者は、特に安全の確保については、これからますます気を使わなければならないと考えます。
 ところで、8月30日には、栃木福祉プラザで視覚障害者と仲間たちによる、音楽発表会があります。私も昨年から、親友の増田君と共に二ヶ月に一度音楽の練習をして、その発表をします。そのレポートは次回いたします。ギター・ウクレレ・キーボードなど10人の演奏です。栃木県在住の方で、時間のある方は、ぜひ聞きに来ていただけましたら感謝です。入場は無料です。宇都宮市若草町にある、福祉プラザの多目的ホールで、午前11時から午後4時半頃までやる予定です。
 次回の投稿は、9月12日を予定しております。それではお元気で! Good luck!







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