2015年9月前半
皆様、こんにちは。お元気ですか?学校では2学期も始まり、文化祭や運動会の準備で忙しいかと思います。我が家の高校3年生は、文化祭で9人のチームを作り、ダンスをすると言って張り切っています。何を踊るかは分かりませんが、洋服の生地を購入し、ミシンを使って、自分たちで縫ってできあがりました。5分間のもち時間とのこと、最近のAKBの影響でしょうか?踊ることがとても楽しいようです。
8月30日、栃木県視覚障害者福祉協会の音楽発表会があり、楽しく盛り上がりました。私たちの音楽グループは、今年で2年目になりました。アンコールを含め、5曲の演奏でした。私の役割は、司会者としての語りでした。ピアニカでの演奏もしましたが、話す内容を整理して、それぞれの曲の背景について語りました
今年は、御巣鷹山で飛行機が激突し、死者520人という悲劇から30年になるので、坂本九さんを偲んで「上を向いて歩こう」、「見上げてごらん夜の星を」の2曲を選んでの歌がメインとなりました。3人の女性コーラスが、美しいハーモニーを聞かせてくれ、会場からも拍手が出て舞台と会場が一体となり、6人の女性たちも参加してのダンスもあって、それは楽しい音楽会となりました。ギター、ウクレレ、キーボード、そしてコーラスが入り、人数が多くなったことでチームワークの大切さを痛感しました。これからは芸術の秋、スポーツの秋です。過ごしやすいこの時を有意義に過ごしたいものです。
さて、ここからは、私の読書ノートになります。今回は、戦後70年に因んで、戦前・戦後の青春物語を読みました。2冊とも、石坂洋次郎さんの本です。石坂さんは、1900年から1986年の作家ですので大正・昭和を生きた大衆作家といって良いかと思います。青森県弘前の生まれです。最も有名な本は、若く明るい歌声にで有名な「青い山脈」です。今回、私が読んだ本は、以下の2冊の長編小説です。
1 「若い人」
これは、昭和8年から12年頃の青春物語です。所は、北海道にあるミッションスクールの女子高です。具体的な場所は書いてありませんが、函館あたりをイメージして読みました。太平洋戦争前なので、比較的平和な時代でありました。ミスケイトという、アメリカ人が校長をしていました。
主人公は、26歳になる間崎という国語の教師です。女子高なので、間崎は女子学生たちに大変人気がありました。間崎は、クリスチャン教師ではありませんが、学校の教育方針には賛同していました。当時の女学校は1年から5年生までとありましたので、現在の中学2年から高校3年生になるかと思います。1年間の学校生活を、上下2巻と、ことこまやかに学校生活が書かれていました。中心となるのは、5年生の江波恵子という、利発で、感受性の強い女の子です。
もう1人は、勤めて2年目になる、橋本スミ子という、助教諭です。二人とも間崎に愛を感じています。間崎も、二人に心が揺らぎます。当時の女子高の様子が良く分かると共に、今日でも共通の雰囲気を感じることができました。
江波は、飲み屋で働く母親との二人暮らしです。絶えず寂しさを感じ、男性の愛を求めていました。しかし、時代の背景もあって、愛する人のために、純血を守ろうとします。橋本先生も、清廉潔白の性格です。情熱をもって生徒たちと接しますが、間崎に対しては、好意をもち、積極的に近寄ってきました。
この話の最後を書きますと、皆様の読書への意欲を奪ってしまいますので、書くのは止めにしておきます。私が最も興味を引いたのは、彼女たちの修学旅行でした。北海道から東京・京都、大阪と、1週間の旅行です。蒸気機関車・急行列車でも、相当、時間がかかりました。しかし、そこには、情緒豊かな雰囲気が漂っていました。教師と生徒との関わりも、大変密接で、豊かな人格の触れ合いを感じ取ることができました。私が女子学生と親しく接したのは大学時代だけですが、時代の違いを感じないではいられませんでした。この「若い人」は、かつて、NHKテレビ、銀河テレビ小説で見た記憶がありますが、やはり読書をすると、新たな感動を受けました。
2 「風と木と空と」
時代は、1960年頃、青森県から6人の若者たちが、高校を卒業して、東京へ集団就職をします。主人公は、雑貨商の娘、沢田多喜子です。彼女は、明るくたくましい、そして賢い女の子です。東京の、経済的に豊かな安川家にお手伝いさんとして就職します。その家には、社長をする父親、理知的な妻、そして、大学生の三郎、多喜子と同年齢の澄子の4人家族でした。婆やが仕事をやめるので、彼女が就職しました。
全体を通して、楽しい青春時代を読み取ることができました。映画にもなったのかも知れません。
私が興味をもったのは、私の小学生時代のストーリーですが、当時の物価のことでした。大学卒業の月給が、1万2千円とありました。そして、高卒の多喜子が受け取った破格の、1万2千円でした。カレーライスが200円、レストランでのビールが100円とありました。そんな経済状況を想像しながら楽しく読むことができました。
集団就職とは、さぞかし寂しいことかと思いましたが、お互いに連絡をとりあって励ましての生活です。「ああ上野駅」という、井沢八郎さんの歌が思い出されます。
しかし、東北の若者たちは、就職がなくて、今日でも、シェアハウスのある、東京へ就職せざるをえないことは、悲しい事実です。
さて、9月14日以降は、政局も、集団的自衛権の強行採決をめぐって、日本が緊張する時となります。8月30日の、全国300箇所では、百万人を超える人たちが、戦争法反対といってデモをしました。国会周辺では12万人に及ぶ人たち、老若男女を問わず、整然と行動をしました。安倍総理の耳には届かなかったようです。「粛々と決めるべき時には決める」との堅い決意のようです。
他方、オバマ大統領は、外交で成果を上げています。50年間断絶のキューバとの国交回復、ベトナム戦争を乗り越えての、有効外交、長年の対立を越えて、イランとの国交回復、ニューオリンズ州を訪問しての、カトリーナ・ハリケーンから10年を迎えての訪問。さらに、オクラホマ州にある、刑務所を訪問して、危険ドラッグで収監されている人たちに「あなたがたには第2のチャンスがあります。期待しています。」と激励をしました。なのに、日本は何ゆえ、隣国と友好関係を結ぶことができないのか?「そんなのどうでもいいじゃん」ではすまないと思うのですが…。
次回は9月26日の予定でおります。Good luck!
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